遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

囲碁の井山裕太が五冠に返り咲き、藤井聡太も五冠に輝くか

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囲碁井山裕太(32)四冠(名人・本因坊棋聖碁聖)が、芝野虎丸(22)王座に挑戦していた5番勝負を3勝2敗で勝利し、王座を奪取し五冠に返り咲きました。アッパレ!

井山は二度にわたる七冠を保持していた時から、一時は三冠にまでタイトルを落としていましたが、昨年あたりから復活の兆しが見えていました。

11月の末に4日間行われた囲碁の中国・韓国・日本による国別団体戦の「農心杯」の第2ラウンドでも、井山は中国と韓国のトッププロ(つまり、世界のトッププロ)から4日間で4連勝を挙げるなど、30歳を超えてなお世界の若くて強烈な棋士を相手に素晴らしい結果を残していました。

私がいま観ているアニメ「ヒカルの碁」では、時の名人が王座を失冠して四冠になったばかりでしたので、井山のその逆を行く王座を奪取して五冠になったというのがなんともアニメのような世界ではあります。

一方で、将棋界では年が明けて1月9日からは王将戦(2日制・7番勝負のタイトル戦)が始まり、渡辺明(37)王将に藤井聡太四冠が挑戦します。

藤井がタイトルを奪取すれば、井山と並んで五冠になります。

かつて、五冠を同時期に保持したことがある棋士は、囲碁界では張栩井山裕太の2人、将棋界では大山康晴中原誠羽生善治の3人です。なので、囲碁界と将棋界で同時に五冠が存在するのは初めてのことですので、私の推しの二人が同時に五冠になってほしいと願っています。

ところで、囲碁のタイトル戦は、記録係が2人で担当します。通常は1時間で記録係が交代しますので、休憩の空いた時間に記録係は対局者が食べたおやつを食レポしたり、対局場の雰囲気を伝えたりと楽しそうです。そして、終盤の秒読みで記録係が忙しくなる時間帯には、記録の仕事は2人で分担するという合理性もあります。

ところが、将棋のタイトル戦の記録係は2日制の対局でもひとりが担当します。その間トイレにも行かないし、居眠りも我慢していそうだし、正座も崩しにくそうで気の毒な感じで見ています。

また、囲碁棋士は胡坐(あぐら)で対戦する姿も少なくありませんが、将棋の棋士は駒に触れるときは正座になって居住まいを正しています。

それに、残り時間が1分(一手1分以内を繰り返す)になっても、囲碁では時計を止めてくれますが将棋は時計を止めません。ですから、1分将棋になってどうしてもトイレに行きたくなったら、まず導線確保のためトイレのドアを開けに走って一旦戻ってきて、一手指した後に用を足しに走っていく、という話を聞いたことがありますw。

将棋は1分以上の時間の余裕を相手に与えるとフェアではなくなるゲームのようなので、1分将棋が30分続いたら一度トイレ休憩をはさむような工夫が必要かと思います。

ということで話は少しそれましたが、将棋界はタイトル戦の記録係の待遇や対局者の環境改善をそろそろ考える時期ではないだろうかと思うきょうこの頃であります。