知床の遊覧船事故
また人災による痛ましい事故が起きてしまいました。
子どもさんが犠牲になったり、船上でプロポーズを予定されていたカップルもおられたようで、何とも心が痛む事故でした。合掌
海に囲まれた日本は、何度も海難事故を経験してきましたが、21世紀にもなって、まだこういう海難事故が起きることに暗澹たる思いです。
この事故は海が荒れた日に無理に船を出した船長だけの問題ではないでしょうし、昨年にも事故を起こし船舶の修理も怠ってきたという情報もありますので、遊覧船の運航会社の経営者は厳しく追及されるべきだと思います。
コロナがひと段落したらもっとも行ってみたいところが北海道だったので、とても残念な事故でした。ウトロや知床には行ったことがあるのですが、知床の遊覧船は未体験でしたので、次の機会にはぜひ乗ってみたいと思っています。
福知山線脱線事故
奇しくも17年前の2005年4月25日は、JR福知山線の脱線事故が起きた日でした。
死者107人、負傷者562人という大惨事でしたが、事故直前の伊丹駅でのオーバーランでの遅れを取り戻そうとする若い運転士の無理な運転が直接の事故原因でした。
しかし、JR西によるATSの未設置や日勤教育などの劣悪な労働環境などによる間接的な要因の方が大きい問題とされています。
「粗相」をする職員には罰則ともいえるいわばイジメのような日勤教育で、常日頃から精神的な圧迫をかけていたことが問題になりました。
当時私が利用していたとある駅では、若い職員が朝の通勤時に「おはようございます」と絶叫させられている「不快な姿」をよく見ましたが、あれも日勤教育の一環だったのだろうと、あの事故があった後にはたと気付いたのでした。
JR西はあの時の日勤教育を反省して、いまは職員の人権を尊重して働き甲斐のある良い職場になっているのでしょうね...知りませんが。
ということで、利潤を追求するのは企業の最終目的であることは否定しませんが、その過程で人の命を犠牲にすることは許されざることで、それは顧客はもちろんのこと企業の従業員の命も含まれていることは言うまでもありません。
知床の小さな遊覧船の会社のトップであろうと、大企業であるJRの経営トップであろうと、その責任の重さは一緒だと思います。また、全国民の命を預かっているとも言える一国のリーダーも、その例外ではありません。
この国は、さすがに平和憲法の下、他国を侵略するようなことは全くなくなりましたが、相も変わらず差別やいじめやシゴキや恫喝や揶揄や干渉や見てみぬふりが大手を振って歩いているのをよく目にします。
自戒の念もこめて、この日本人の精神構造はいったいどこから来てどこへ行こうとしてるのかと我ながら不思議に思っている今日この頃であります。