遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

今も続く沖縄の悲しみ「国家的差別」と「大いなるイジメ」

f:id:toship-asobi:20220414121711p:plain

上の写真は銃口を撮影者の方に向けている兵士の姿です。

この兵士は、ウクライナで撮影されたロシア軍の兵士ではなく、沖縄で撮影された米兵なのです。

銃口を向けられたのは、琉球新報沖縄県の地元紙)の記者です。
これを伝える東京新聞は、
「警備訓練を施設外から取材していた沖縄県の地元紙・琉球新報の写真記者に、米兵が銃口を向けた。訓練中とはいえ施設外の民間人に銃口を向けるなど言語道断だ。記者と認識していたなら報道の自由への意図的な威嚇にほかならない。日米安全保障体制の信頼性をも揺るがしかねない事態だ。政府は真相解明と再発防止を、米側に強く申し入れるべきである。」
と強い口調でこの行為を非難しています。

ロシア軍のウクライナ侵略とその後のジェノサイド(集団殺害)については全世界をあげて非難すべきことで、言をまたずロシアへの制裁(場合によってはNATOによる軍事的解決)は徹底的に実行されるべきで、プーチンが元首としている限りそれは永遠に続けられるべきだろうと思います。

それはそれとして、ウクライナだけでなく沖縄のことも日米で考えていくべきだと思います。

第二次世界大戦の敗戦国として、平和憲法下、ある意味世界に貢献してきた日本ですから、そろそろ米軍に出ていってもらってもいい頃なのではないでしょうか。米軍の極東配備は、グアム基地を中心としてもらうことで外務・防衛両省は仕事をするべきでしょう。

ましてや、銃規制がほぼ完ぺきな国の中で一般人に銃口を向けるなどと言う行為は、過去の米兵による沖縄での乱暴狼藉「国家的差別」「大いなるイジメ」だと言わざるを得ません。

教育現場や職場でイジメが全くなくならない国内事情と同じく、日本のアメリカからの外交的イジメはいつまで続くのでしょう。人間の持つあらゆるイジメや差別体質に、この国は古代から鈍感なままな気がします。

横田基地があるために、羽田空港への旅客機の航路は著しく制限されていてそのリスクは改善されるどころか拡大していて、住民へのリスクは計り知れないまでになりましたが、航路の下に住む人たちだけの問題ではないと思います。沖縄も同じです。

日米の地位協定は、何がどうなっていて、それが改善あるいは改悪されてきているのか、私も含め国民はよく分かっていません。戦勝国に、いつまで思いやり予算を計上して、沖縄を半ば占領させ、世界最大人口を抱える首都圏の制空権を放棄しなければならないのか?いったい、このことを誰が説明してくれるのでしょうか。

東京新聞が記事の最後でウクライナを侵攻したロシア国内では、政権に批判的なメディアに対する弾圧が続いている。日米両政府が、報道機関に銃口を向ける米兵を放置するようなら、ロシアを批判する資格はあるまい。と厳しく正しく指摘しています。

今週から始まったNHKの朝ドラは沖縄の人たちの物語なのでしょうか、画面に映る青い海と青い空と緑濃き大自然が見事ですが、その空に戦闘機や従軍ヘリの騒音は絶え間ないし、地上ではライフル銃を向けられることもあるのです。

沖縄に延々と続く不条理を、世界中の人たちのみならず日本国民もウクライナの悲劇ほどの痛みをもって接していないように思う悲しいきょうこの頃であります。