Netflixで、あるドキュメンタリー（字幕版）を見始めたら日本語字幕が出て来ない。番組紹介は日本語で書かれているのに、それにいざなわれて番組を見たら日本語字幕が出て来ない。吹き替え版もないので字幕を選ぶ機能を試したら、英語やポルトガル着や中国語字幕は用意されているのに日本語字幕が抜けていた。
これはNetflixの不手際なのだろうが、私は日本語しか理解できないので「はっ」としたのだが、もし日本が商業ベースに見合わない国とされると、「日本語字幕なんかつけてられない」ことになるだろう。そういう時代が近づいているのではないかと思い「はっ」としたのだった。
政治体制や採算ベースが理由で、日本にはさまざまな情報やエンターテイメントコンテンツが入ってこない時代が近づいてはいないだろうか。英語や中国語ですべての情報は事足りるのではないだろうか。
今や世界中のいたる所で利用されている、日本企業の自動車や家電やさまざまなグッズが、中国や韓国や東南アジア製にとってかわられる日はそう遠くないし、いま現実的にそうなりつつあるのではないだろうか。中国製の電気自動車やテレビや衣料品が世界を席巻しつつあるのではないだろうか。
となってくると、日本の価値はどこにあるのだろうか。
賢い日本人、やさしい日本人、優れた自動車や家電、清潔な都市空間、四季の移ろいが美しく風光明媚な国土などは「レッドリスト（絶滅危惧種）」的存在になってしまいそうだ。
読売新聞オンラインが伝えるところによると、
《菅首相は４日、エフエムナックファイブのラジオ番組で、東京五輪・パラリンピックについて「世界全体がコロナ禍という困難に直面しているからこそ、人類の努力や英知を結集して乗り越えられるということを世界に発信したい」と述べ、開催への決意を示した。》
のだそうだ。こちらには「はっ？？」と声が裏返り語尾が跳ね上がり反応してしまう。
この男は、誰の考えた言葉を公共の電波に乗せているのだろう。
「人類の努力や英知」とは「日本と日本人」のことを指しているのだろうか。コロナによる医療崩壊だけでなく、ワクチン接種もままならない安倍・菅政権の「努力や英知」はどこにも存在しないのに、どの口がそう言うのだろう。
この10年で、日本は政権政府のために世界中の笑いものとか鼻つまみになってしまったような気がする。いままだかろうじて、一部の日本人による優れたパフォーマンスや良い製品による信頼感などで「お利口な日本」の体面を保っているものの、頭空っぽの政権政府のおかげで恥ずかしい国になり下がってしまった。
そのことを象徴するのが菅の意味不明な「世界全体がコロナ禍という困難に直面しているからこそ、人類の努力や英知を結集して乗り越えられるということを世界に発信したい」ということばだ。
菅義偉が主語なら、「努力や英知を結集」して五輪は中止にしてコロナ対策に全力を挙げることが正しい道だろう。そうすれば菅義偉を世界は信用してくれるのだ。
自然災害や少子高齢化社会の諸問題に「努力や英知を結集」するのもありだ。
ということで、都議選で自公は過半数を取れなかったが、総選挙でも同じ結果になることは容易に想像できるのだった。
