遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ならば、経済同友会が「ガラスの天井」を割ってみてください

f:id:toship-asobi:20210218105039j:plain

 

吉村大阪府知事が「ガラスの天井」という言葉の意味をよく知らないまま使っていて、吉本の芸人より笑いを取れる知事だと思ったが、女性の社会進出についての、先日の経済同友会桜田会長の言動も大いに問題があると感じた。
https://mainichi.jp/articles/20210216/k00/00m/020/211000c
《企業で女性の役員登用が進んでいないことについて「女性側にも全く原因がない訳でもない」。「与えられれば(チャンスを掴みにいく)という方はいるが、自ら(チャンスを)取りに行かれる方はまだまだ多くないように感じている」と述べた。》

「与えられれば」というのが上から目線だが、それは置いておいても、「自ら(チャンスを)取りに行かれる方はまだまだ多くない」というのが問題だ。

女性が自ら動けない理由にまで考えが及んでいないのだ。

結婚していて、夫や子供の世話役や掃除・洗濯・食事の用意やこまごまとした雑用を一手に引き受けているケースが多いのが女性だ。夫は家に居ない、家事をしないのが普通だという現状に思いが至っていないのではないのか。

夫と家事を分担していても、その割合が等しくなく現代においても「夫婦の家庭内格差」は相当なものだ。それは、私のようなぐうたらな男の問題はあるにしても、社会や企業が男に頼りすぎるから、家庭内で男がぐうたらになってしまうのだ。しかも同じ能力でも男の方が収入が多いので男が勘違いをするのだ。妻にすれば、せめて仕事終わりの夫を早く解放してほしいことだろう。

仕事を持つ男女が、ほぼ毎日定時に帰宅できる社会。子育てや老人介護を国や自治体でサポートしてくれる社会。ガラスの天井がなくて、女性の足を引っ張らない社会。そういう社会を経済同友会経団連自由民主党が目指して何らかの実践をしているなら、桜田会長の「女性登用が少ないのは女性側にも問題がある」という言葉も実感を伴うのだが、少子高齢社会や格差社会をなくすための社会づくりをしていないではないか。

「女性の割合を何%にする」みたいな目標を掲げても、そのために社会をどう変えていくのかという視点が見えてこない(視点はないのだけど)。「責任は私にあります」と応じて責任を取らない内閣総理大臣と同じ意識構造だ。

ということで、今般の森喜朗五輪組織委員会元会長の発言をきっかけに、多くの人が社会のありようを考えることになれば日本にも幸せが見えてくると思う今日この頃であります。