◆6才のボクが、大人になるまで。 2014年 2時間45分 キネマ旬報2014年2位
12年間に渡って同じキャストを撮影し続けるというユニークな試みにより綴られた、画期的な成長物語。スクリーン上で実際に成長していく主人公メイソン(エラー・コルトレーン)の両親をイーサン・ホークとパトリシア・アークエット(アカデミー賞助演女優賞受賞)が演じた。
テレビでは、随時放送可能なので長期に及ぶ撮影のドキュメンタリー番組とは時々出くわすが、12年間の撮影期間をかけた長編ドラマ映画というのが、珍しくて粘り強くて偉い。
中心となったファミリー、父母姉弟の4人がすべて同じ配役で、彼らの変化を見るだけでも楽しい。もちろんドラマも彼らの加齢にシンクロしていく。
◆365日のシンプルライフ 2014年 1時間22分ドキュメンタリー
26歳のペトリは、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れた自分の部屋には幸せがないと感じ、自分の持ちモノ全てをリセットする”実験”を決意する。ルールは4つ。 ①持ちモノ全てを倉庫に預ける ②1日に1個だけ持って来る ③1年間、続ける ④1年間、何も買わない
上の画像は、この実験の初日に、雪道の中すっ裸で倉庫に向かうペトリ。彼は最初に倉庫から持ってきたのはモノは何か?これでクイズができる。
ペトリは早い段階で、毎日倉庫に行かなくなった。10日間倉庫に行かないで、10個まとめて持ち帰るというのもありで、なかなか興味深い面白い設定だった。
私たちは実に不要なモノに囲まれて生活していて、金と時間と空間スペースの無駄使いだと実感する。
◆パターソン 2017年 1時間57分 キネマ旬報2017年2位
ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に浮かぶ詩を秘密のノートに書きとめていく。帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。
主人公の暮らしを幸せと感じるか、平凡で退屈そうだと感じるか。
私は幸福時間の連続した映画だと感じた。7日間の短い時間を追ったドラマだから、大したことは起こらなさそうで、仕事や生活に変化もあったりもする。
主人公のパターソン、バス乗務中に聴こえてくる乗客の話に口角をほんの少し上げてほほ笑む。落ち着きのある好青年に出会える。
◆スポットライト 世紀のスクープ 2015年 2時間8分 キネマ旬報2016年7位
暗闇にひときわ輝く、希望の光- 2002年1月、米国の新聞『ボストン・グローブ』が、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。《スポットライト》という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を探り当てたのだろうか?
ウォーターゲート事件をスクープしたワシントンポストの記者を、R・レッドフォードとⅮ・ホフマンが演じた「大統領の陰謀」を思い出す。
長年の史実に基づいたドラマだが、「教会」の大きさに挑む4人の記者魂が美しい。
以上4本のおすすめ映画でした。すべてAmazonPrime会員は0円で視聴できます。