遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

こんなときですが、おすすめ外国映画4本

政府に「新しい生活様式」をせよなんて言われたくないです。お前らに言われなくても新型コロナに感染しないように注意するよ、PCR検査も受けられない国に住んでいるのだから。
ところで安倍首相は「新しい生活様式」に変えたのかな?ママの待つ私邸に帰らないで、公邸に寝泊まりし始めたのかな。それとももう公邸に用がないと思い始めたのかな。
ということで、もうGWは終わりを迎えましたが、自粛生活はもう少し長引きそうですので、最近観た劇場映画を4本ご紹介します。うち2本は、2度目の鑑賞でした。
映画をチョイスするにあたって、キネマ旬報の年度ごとのベスト10作品を参考に、AmazonPrimeで無料で見ることのできる作品を中心にしました。

 

f:id:toship-asobi:20200506154843j:plain

わたしは、ダニエル・ブレイク 2016年  1時間40分  キネマ旬報2012年1位

是枝監督の「万引き家族」の2年前のカンヌのパルムドール(グランプリ)作品。キネ旬でも批評家投票で1位となった。ロンドンを追われたシングルマザーの貧しい家族と、その家族をなんとか支えようとする心臓が悪くて働けないのに国の援助が認められないダニエル。彼らの名もなく貧しく美しい映画。出演者の演技がとても自然で、ドキュメンタリー映画を観ているような錯覚に陥る。世間の多くが、ダニエルのような優しくてまっとうな心の持ち主なんだと気付かせてくれる良品だった。

 

f:id:toship-asobi:20200506155005j:plain

ドライヴ    2011年 1時間40分  キネマ旬報2012年8位

カースタントを生業とするドライバー(ライアン・ゴズリング)は別の顔がある。強盗の逃走を請け負うドライバーという別の顔。同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)にドライバーは心を寄せるが、彼女の夫が刑期を終え出所してきてから、さまざまな災厄が二人に降りかかってくる。ライアン・ゴズリング(「ラ・ラ・ランド」)とキャリー・マリガン(「わたしをはなさないで」)がクールでしっとりとしていて作品に安定感をもたらすのだが、血で血を洗う悪党どもがたくさん出てきて別の賑やかさもある。

 

f:id:toship-asobi:20200506155114j:plain

トゥルー・グリット  2010年 1時間50分  キネマ旬報2011年7位

8年ぶり2回目の鑑賞。コーエン兄弟の監督作品。内容はあまり覚えていなかった。ジェフ・ブリッジス、マット・デイモンという有名なのにあまりクールでない二人が、作品邪魔をしてると思った。全編カッコよくするのはかえってダサいと、コーエン兄弟はこの二人をキャスティングしたのだろうか。それならそれで面白い。一方、父親のかたき討ちのために保安官を雇って旅を続ける、14歳の少女ヘイリー・スタインフェルドの魅力が素晴らしい。それで、2度目の鑑賞となった。

 

f:id:toship-asobi:20200506155159j:plain

セブン  1996年 2時間7分   キネマ旬報1996年6位

デビッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピットモーガン・フリーマン共演の警察ドラマ。24年前の古い作品だが、私は12年前の今日この作品の記事を書いている。作品内容は全く記憶になかった。「七つの大罪」になぞらえた奇怪な連続殺人事件を追う迫真のふたりの刑事の姿を描いている。猟奇的な雰囲気が「羊たちの沈黙」に少し似ている気がしたが、気のせいかもしれない。作品の記憶はまったくないので、当然にラストシーンも覚えていない。頭が悪いと映画を二度楽しめるという長所もあるようだが、本作のことはもう二度と死ぬまで忘れないと思う。(本作は100円の料金が必用でした)