一方、財全と同窓の里見脩二は、患者の立場に立った倫理観の強い学究肌の助教授。
その里見を、田村高廣がこれまた好演。
財前のずさんな検査による誤診と手術の結果、死に至った貧しい患者の訴えた裁判で、
里見は、結果的には財前と大学医局に反旗を翻すことになる「真実の証言」を行なう。
その里見を、田村高廣がこれまた好演。
財前のずさんな検査による誤診と手術の結果、死に至った貧しい患者の訴えた裁判で、
里見は、結果的には財前と大学医局に反旗を翻すことになる「真実の証言」を行なう。
結局この裁判は、国立大学医局の名誉と権威を守る判決になり、
財前は教授として大学に守られ、里見は地方の大学に追われそうになり、大学に辞表を提出することになる。
財前は教授として大学に守られ、里見は地方の大学に追われそうになり、大学に辞表を提出することになる。
原作は、1963年の山崎豊子の「白い巨塔」であるが、大学の医局「村」は、どうなったのだろうか。
IPS細胞の発見で、ノーベル医学賞に最も近い位置にある、京都大学の山中伸弥教授は、
里見脩二に近い存在に私の目には映る。
山中は、自分が若い頃から目にしてきた難病で亡くなっていく患者のために、
研究を続けてきたとインタビューで語るのを聞いて、そう思った。
IPS細胞の発見で、ノーベル医学賞に最も近い位置にある、京都大学の山中伸弥教授は、
里見脩二に近い存在に私の目には映る。
山中は、自分が若い頃から目にしてきた難病で亡くなっていく患者のために、
研究を続けてきたとインタビューで語るのを聞いて、そう思った。
ただ、この国のかたちは、山崎が50年前に仕上げた創造の世界となんら変わっていないのではないだろうか。
金や利権や名誉のために、弱者や正直者や正義が犠牲になってはいないだろうか。
金や利権や名誉のために、弱者や正直者や正義が犠牲になってはいないだろうか。
ほんの一握りの人間の金や利権や名誉のために、多くに人たちが傷つけられるこの国のかたちは、
修正されることがないのだろうか。
修正されることがないのだろうか。
「床屋のチャーリー」(「チャップリンの独裁者」)や、アティカス・フィンチ(「アラバマ物語」)や、
島田 勘兵衛(「七人の侍」)やフォレスト・ガンプやアラビアのロレンスなど、
里見脩二に言い換えられる人物は星の数ほどいるのだけれど。
島田 勘兵衛(「七人の侍」)やフォレスト・ガンプやアラビアのロレンスなど、
里見脩二に言い換えられる人物は星の数ほどいるのだけれど。