遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

あっぱれ「ミルクボーイ」単純で万人に分かる面白い台本と話術でM-1勝利!

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M-1グランプリ2019、しっかり笑わせてもらった。

私の好きな「和牛」が決勝に残っていないと聞いて、敗者復活からの勝利というストーリーを勝手に想定していて、番組はほぼそういう筋書き通りに進行していた。

しかし、「ミルクボーイ」の「コーンフレーク」ネタがめちゃ面白くて、潮目がすっかり変わってしまった。また「ぺこぱ」の新しい漫才を見て、「和牛」が角をもがれたような気がした。

最終決戦に残った3組のうち、「ミルクボーイ」と「ぺこぱ」がやはり面白くて、グランプリに輝いた「ミルクボーイ」は同じパターンの「モナカ」ネタもツボを外さず順当な優勝だった。

 

ミルクボーイ」ツッコミが、角刈りのダブルのスーツで昭和のおっさんを演じきった2本のネタは新しいにおいはしない。しかし、単純で万人に分かりやすくて面白い台本をもとにたたみかける話術が秀逸で、正統な漫才が構築されて成功した。4分でドッカンとウケれば天下が獲れる見本のような見事な漫才だった。面白かった!今後は、ツッコミの君は、ダブルのスーツを脱いで「素」の面白い芸人になってもらいたい。

ぺこぱ」こちらは変則ツッコミで新しかった。髪の毛はあるが「トレエン」の斎藤みたいなキャラだが、もっとしなやかでギャグに頼っていなくて台本もよく寝られていて見事な漫才だった。「ミルクボーイ」のツッコミと同様、演じ切っているところで成功しているが、来年も同じキャラで踏襲するのかな。漫才は「素」の面白さや人格が漫才のムードを支配する部分が大きいので、今後1年は大変だ。

見取り図」は去年も今年も面白かった。私の好み。そのままで、面白いネタができあがったら優勝も夢じゃないだろう。

オズワルド」も、関東の静かなしゃべくり漫才がくすっと面白い。4分でドッカンと受けにくい漫才なので、「ナイツ」のような芸を目指すのもありかも。

和牛」はスタイルが少し変わって違和感があった。進化したいのだろうが、今回はちょっと空ぶった。次回に期待。

 

ということで、若いパワーが目立った決勝戦だった。

今回初出場の7組は、全く初めて見た漫才コンビだったが、とても楽しめた。

5040組もエントリーすれば、これくらいは揃っても不思議ではないかな。

また来年もみなガンバレ。吉本以外も頑張れチャンスはある!

 

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