遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

上野愛咲美(17歳)が女性では初めて囲碁の棋戦の決勝戦進出を決めた

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上野愛咲美(あさみ)(きょうの「竜星戦」より)

上野愛咲美(あさみ)という囲碁棋士が、女性では初めて囲碁の棋戦の決勝戦進出を決めた。「囲碁将棋チャンネル」が主催する、全棋士が参加する棋戦「竜星戦」の決勝進出を決めたのだ。

mainichi.jp

今日は生放送でその棋戦が放送され、許家元(きょかげん)という男性の八段から見事に勝利をおさめた。許八段は昨年井山裕太から「碁聖」タイトルを奪取し、10月からは「天元」というタイトル戦でまた井山に挑戦する男性のトッププロ。

今日はその生放送をじっと見ていた。上野を応援しながら、ドキドキしながら見ていた。ひとつ前の準々決勝で、村川大介という「十段」タイトルホルダーに勝利したのも驚きだったが、今日の勝利も素晴らしかった。アッパレ!

彼女は、N高等学校という通信制の高校3年生。高校1年生のころから頭角を現し、女流棋士だけの棋戦ではすでにタイトルを獲得している。宇宙人のように泰然自若で穏やかな雰囲気の女性だが、盤上では激しい棋風の持ち主らしい。

今日の放送は、AIによる勝敗予測数値が終始示されていたが(あの放送形態は私のような素人にはとてもうれしい)、序盤から形勢は上野が圧倒していた。途中は、許八段が大逆転かという場面もあったが、結局大きくリードを保って勝利した。

繰り返しになるが、女性が囲碁の棋戦の決勝戦に進むのは史上初めてのことである。素晴らしい出来事であった。

上野の実妹の上野梨紗も2019年4月より12歳9か月の若さでプロの囲碁棋士として活動している。ちなみに将棋では、まだ女性のプロ入りの前例さえない。女流棋士はいるが、奨励会を勝ち抜いてプロ入りできた女性はいまだに存在しない。