2001年宇宙の旅 68米 2001 A SPACE ODYSSEY
■製作・監督・脚本 スタンリー・キューブリック
■原作・脚本 アーサー・C・クラーク
■撮影 ジェフリー・アンスワース/ジョン・オルコット
■出演 ケア・ダレー/ゲーリー・ロックウッド/ウィリアム・シルヴェスター
NHKのBS-2で、小堺一機が司会をしていた「シネマパラダイス」という、
映画好きの私にとっては毎週楽しみな、いい番組が在った。
毎回、ゲストが思い入れのある映画を1本選び、
その映画を熱く語る、という展開の番組であった。
メイン司会の小堺の他、アシスタントの女性タレント、
準レギュラーの市川森一・前田武彦・浅井慎平・村松友視などが
交代で脇を固め、ゲストのお気に入りの映画を持ち上げるという、
NHKらしい豪華な人材を配した番組であった。
ゲストとレギュラー陣の、トークにほぼ終始する番組ではあったが、
大人が「うんうん」と嬉しくなる話の展開を見せてくれた。
で、ある時のゲストが、「異文化交流」がお好きな、森本レオ。
彼の思い入れのある映画が「2001年宇宙の旅」であった。
監督は、巨匠スタンリー・キューブリック。
彼の主なスゴイ作品は、以下のとおり。
1960年の「スパルタカス」
1968年「2001年宇宙への旅」
1971年「時計じかけのオレンジ」
1975年「バリー・リンドン」
1980年「シャイニング」
1987年「フルメタル・ジャケット」
1999年「アイズ・ワイド・シャット」
私は、学生時代に「時計じかけのオレンジ」をリバイバル上映で、
その後社会人になって、「2001年宇宙への旅」のリバイバル上映を、
70mm大画面で観ている。
ゲスト森本レオが、語る語る。
すごい薀蓄(うんちく)話を、たくさん披露してくれた。
モノリス(黒石板)、一神教、ゾロアスター=ツァラトゥストラ、
ユダヤ教、ユダヤ人=キューブリック&シュトラウス(ヨハン・リヒャルト)
=「美しき青きドナウ」&交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ゾロアスター暦9000年=西暦2001年、コンピュータ:HAL9000。
このようなキーワードをちりばめて、熱く語った。
「異文化交流」氏はかく語りき、であった。
NHKでは特定企業名は語れなかったであろうが、
コンピュータ「HAL」のアルファベットの次の文字をたどれば、
H→I A→B L→M
「IBM」となるが、これは暗示的でもなんでもなく、
単なる偶然の一致というのが、今は一般的なようだが。果たして、どうだか。
有史以前の人類が、空へと投げ上げた最初の武器「骨」が、
宇宙船にジャン!と変わるところから、
美しい2001年の宇宙の旅が始まる。
円形の宇宙ステーションが、「美しき青きドナウ」にシンクロしてゆっくりまわる。
スケール感のある、円舞曲をイメージした見事な場面は、
1968年制作の奇跡の映像である。
難しい言葉は要らない。
キネマ旬報「オールタイムベスト・ベスト100」外国映画編(1999年調査)
第2位
この映画の採点=☆☆☆★★★
(双葉十三郎のぼくの採点表より ☆=20点 ★=5点 但し☆☆☆☆★★以上はない)
私の採点=☆☆☆☆★