近代映画社の「スクリーン」の名物企画、
「ぼくの採点表」を長年連載していたのが、双葉十三郎。
60年代後半から70年代後半にかけて、毎月私はこのスクリーンを購入し、
ぼくの採点表や、淀川長治のお奨め映画を観つづけていたものである。
年に一度の企画が、その年のベストテンを選ぶというもので、
スクリーン誌は、1955年からベストテン企画を掲載していた。
この本は、そこから遡ること4年の1951年から、
2000年までの50年間の、
双葉先生の選んだベストテンの写真とコメントを単に並べたもの。
500本の名作のなかには、
「勝手にしやがれ」はなく「軽蔑」(1964年4位)があり、
「道」がなく「8 1/2」(1965年1位)があり、
彼の嫌いな映画は、私と必ずしも一致しないのであるが、
彼の好きな映画は、もちろんのこと私のそれと一致しているのである。
彼の観なさいといった映画を観てきた半生である。
とにかく、40年近くお世話になっている。
おかげで、良い映画とたくさん出会えた半生であった、
感謝。
残りの半生は、この500本を観て過ごしてもいいとも思っている。