遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

外国映画ぼくのベストテン50年/双葉十三郎

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外国映画ぼくのベストテン50年  双葉 十三郎



近代映画社の「スクリーン」の名物企画、

「ぼくの採点表」を長年連載していたのが、双葉十三郎


60年代後半から70年代後半にかけて、毎月私はこのスクリーンを購入し、

ぼくの採点表や、淀川長治のお奨め映画を観つづけていたものである。



年に一度の企画が、その年のベストテンを選ぶというもので、

スクリーン誌は、1955年からベストテン企画を掲載していた。


この本は、そこから遡ること4年の1951年から、

2000年までの50年間の、

双葉先生の選んだベストテンの写真とコメントを単に並べたもの。



500本の名作のなかには、

カッコーの巣の上で」がなく「イージー・ライダー」(1970年2位)があり、

ティファニーで朝食を」がなく「ローマの休日」(1954年1位)はあり、

勝手にしやがれ」はなく「軽蔑」(1964年4位)があり、

雨に唄えば」はなく「巴里のアメリカ人」(1952年8位)はあり、

「道」がなく「8 1/2」(1965年1位)があり、

サウンド・オブ・ミュージック」がなく「ウエストサイド物語」(1961年2位)はあり、

時計じかけのオレンジ」はなく「バリー・リンドン」(1976年4位)はあるのだ。



双葉先生は、耽美派であり、爽やかな自然派でもある。

彼の嫌いな映画は、私と必ずしも一致しないのであるが、

彼の好きな映画は、もちろんのこと私のそれと一致しているのである。


彼の観なさいといった映画を観てきた半生である。


とにかく、40年近くお世話になっている。

おかげで、良い映画とたくさん出会えた半生であった、

感謝。


残りの半生は、この500本を観て過ごしてもいいとも思っている。