遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

リラクシン/マイルス・デイビス

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パーソネル
マイルス・デイビス(tp) 1926年5月-1991年9月28日死去

ジョン・コルトレーン(ts) 1926年9月-1967年7月17日死去

レッド・ガーランド(p) 1923年5月-1984年4月23日死去

ポール・チェンバース(b) 1935年4月-1969年1月4日死去

フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds) 1923年7月-1985年8月30日死去

 1-4 1956年10月26日録音。 5,6 1956年5月11日録音。

曲目リスト
1.イフ・アイ・ワー・ア・ベル
2.ユーア・マイ・エヴリシング
3.アイ・クッド・ライト・ア・ブック
4.オレオ
5.イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー
6.ウディン・ユー


マイルスとコルトレーンを中心としたこのクインテットは、

ジャズ史上避けて通れない一時代を画した。

マイルス以外の、まだ青いコルトレーンたち4人は、ここをステップに、

1960年代に活躍の場を移していく。


既にご紹介した「イン・ア・サイレント・ウェイ 」(1969年録音)
http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/14789045.html

ここでも、マイルスは、当時の新進気鋭の若手を集めている。

その後の若手たちが、1970年代に新しいジャズを作り上げていったのによく似ている。



まだ青いと、私は表現したが、テクニックが青いのでは決してない。


一般に、この5人を「オリジナル・クインテット」と呼び、

彼らは、「in」と韻を踏んだ歴史的な名アルバム4枚をリリースしている。


1957年に『クツキン』を、

1958年に『リラクシン』を、

1960年に『ワーキン』を、

そして最後の『スティーミン』を1961年に

リリースしている。


当時、ともに30歳であった、マイルスのミュートをかけたトランペットと、

コルトレーンのテナーサックスは、滑らかに実によく歌う。


いつ聴いても、涙が出るほど懐かしい。


60年代は、「叫ぶ」コルトレーンであったが、

マイルスのもとでは、素直に優しいトーンのトレーンであった。


ザ・リズムセクションの3人も、100点満点の黒子ぶりである。


タイトルどおり、肩の力の抜けた、リラックスした演奏の一枚である。

もちろん聴き手も、リラックスできる。

最高の出来の、お気楽アルバムである。


スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100
第57位