遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「クッキン」「ネフェルティティ」/マイルス・デイヴィス

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日付は変わってしまったが、昨日5月26日はマイルス・デイヴィスの生誕89年。

来年なら切りのいい生誕年だったのだけど、当方に来年があるのかどうかも分からないので命のある時に、書きたいことを書いておく。

ジャズを聴くなら、マイルスのアルバムをおすすめする。理想は彼のアルバムをすべて聴くこと。(あくまで理想。)
彼のアルバムに共演しているジャズプレーヤーが、素晴らしい。彼らはやがてマイルスの下を去り自分たちのアルバムを作るのだが、マイルス時代のアルバムで充分彼らを堪能できる。

マイルスを隅から隅まで聴けば、共演しているジャズ・ジャイアンツも同時に楽しめるのである。
というわけで、手はじめに、マイルスの1950年代と1960年代の二つのクインテットのアルバムのご紹介。

1枚目は「クッキン」。ジョン・コルトレーンがマイルスの下で修業をしていた時代のオリジナル・クインテットの作品。
リラックスして聴ける名盤。

Miles Davis - Cookin' (Full Album)

マイルス・デイビス(トランペット) 
ジョン・コルトレーン(テナーサックス) 
レッド・ガーランド(ピアノ) 
録音 1956年10月26日


2枚目は「ネフェルティティ」。60年代に結成された、マイルスの黄金期を象徴するクインテットのアルバム。
もうジャズはスイングしないし、ハーモニーは不協和音だけども、これが新しいジャズだった。

miles davis - nefertiti full album

マイルス・デイビス(トランペット)
ロン・カーター(ベース) 
録音 1967年5月16・17・24日 


マイルスの黄金期の二つのクインテットによる、対照的な2枚のアルバムである。変化して進化することが、音楽の神髄だと捉えていたマイルスの音楽性が分かる2枚。その他、綺羅星のごとく彼のアルバムは存在するが、このあたりからマイルスやジャズに触れはじめるのも悪くはないと思う。なにしろとてもクールなのである。