写真
安全への逃避 沢田教一 (1965年) 沢田教一の人となりはよく知らないが、「安全への逃避」(1965年)は子どもの頃からよく知っていた。 戦火から逃げ惑う緊迫した家族の肖像は、忘れ難く頭にこびりついている。 沢田の敬愛するロバート・キャパが地雷を踏んで…
木村伊兵衛 「本郷 森川町」 1953年(昭和28年) 「木村伊兵衛写真賞」、1975年に朝日新聞によって創設された、写真界の芥川賞的存在である。 普通は「木村伊兵衛賞」で通っている。 私が、ニコンの一眼レフを買って写真を始めた頃、 藤原新也(受賞年1977年…
土門拳 「江東のこども・近藤勇と鞍馬天狗」 1955年 こんなこどもたちはいつでも撮れると思っていた、 でもこの時撮っておかなければ二度と撮れなかったのである、 と土門は書き残している。 東京は江東の下町、こんな街角もこどもたちももうなくなってしま…
今年の墓碑銘 本日、北朝鮮の将軍様の死亡ニュースが駆け巡ったが、 私の墓碑銘には間に合わなかった。 画像上部左端から 和田勉 「竜馬がゆく」「天城越え」「阿修羅のごとく」などなど、緻密な演出は、風采と正反対。 宮尾すすむ このポーズこそ、宮尾すす…
シルヴィ・ギエム(1965年 - ) (撮影:リチャード・アヴェドン) 100年に1人の天才とまで言われる、ギエムの「ボレロ」が東北で観られるという。 日本で最も人気のあるフランス人ダンサー、シルヴィ・ギエムは東日本大震災に衝撃を受け、被災者との連帯…
アメリカの写真家リチャード・アヴェドン(Richard Avedon, 1923 - 2004)。 社会人になって、やっと自分用のカメラが買えて、 「朝日カメラ」と「カメラ毎日」を毎月買い続けていた若い頃。 この2誌を隅から隅まで舐めるように読んで勉強していた。 そんな…
フランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908 - 2004)。 彼の代表作が、この1932年の「サン=ラザール駅裏」である。 連続シャッターなど装着されていない当時の簡易なカメラで捉えた、 アートな一瞬である。 モノクロームで奥行きのある空間と…
先日、米国のピアノコンクールで優勝した辻井伸行、 全盲の彼は「一度だけ目が開くならお母さんの顔が見たい」とかつて口にしたそうだ。 そのエピソードを目にして思い出したことがあった。 遠い昔のこと、 フジTV「3時のあなた」に出演していた水俣病の…
画像は、スペイン内戦で共和国軍兵士が撃たれた瞬間を捉えた、 ロバート・キャパが撮った写真である。 カメラマンの位置、兵士との距離を感じていただけるだろうか、 キャパは彼ら共和国軍兵士と一緒に行動し、 このような写真を撮ることを心の奥深いどこか…