フランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908 - 2004)。
彼の代表作が、この1932年の「サン=ラザール駅裏」である。
連続シャッターなど装着されていない当時の簡易なカメラで捉えた、
アートな一瞬である。
モノクロームで奥行きのある空間と、鏡のような水盤へ躍動感のあるジャンプ。
演出であろうが、偶然に撮れた写真であろうが、
こういうバランス(絶妙なアンバランスとも言えるかな)の写真はものにできない。
シャッターは指で切らない、感性でシャッターを切るばかり、なのである。