遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

24時間営業のコンビニ店長は大変だ

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東大阪市セブン-イレブンの店長が、24時間営業をやめたいとして本部に申請をしていた件で、本部は店長に契約解除と違約金の1700万円を請求していたというニュースが関西ローカルで話題になっていた。今や全国区のニュースになったようだ。

私がまだ現役のサラリーマンだった時に、勤める企業に使わない空いた土地が2か所あったのでコンビニに貸そうとして、ローソンとセブンイレブンの本部に「連絡を取りたい」とメールをしたことがある。

見知らぬ人間からの突然のメールにもかかわらず、どちらのコンビニだったか忘れたが、連絡があり電話で担当者と話をしたことがある。

当方は、土地を貸すだけの条件でどこかの誰かが開店ができるか打診をしたのだが、後学のために自らオーナーとしてフランチャイズ店を開店するケースについても話を聞いた。

詳細は忘れてしまったが、土地だけを貸しても思ったような収益はまったく見込めないことが分かったし、オーナー店長になって24時間店を開けていても、相当の売り上げが出ないと大変な世界だということがその時わかった。

仕事ができようができまいが、クビにさえならなければ収入が見込める自分は、コンビニのオーナー店長より恵まれた仕事人だとその時思った。

件の東大阪の店長は、配偶者を亡くされたばかりのようだった。アルバイトを雇っての深夜営業は、マイナス収益だったようだから、24時間営業をやめたいと本部に掛け合ったら「1700万円の違約金と契約解除」だと言ってきたようなのだ。

時給1000円で深夜に8時間のバイトを一人雇えば、オーナーの持ち出しは8千円。8千円を上回る収益を上げるには、8時間にいくら売り上げる必要があるのか。

まさか今どき「売り上げ=利益」だと思っている人はいないとは思うが、一般的なケースで、店長は夫婦で働いて繁忙時や夜間はバイトを雇ってようやく年間収入が700万円(夫婦の収入)くらいだという。これは恵まれたケースのような気がする。

セブン-イレブンは、深夜営業をやめたいと言ってくるオーナーすべてにそれを認めたら、大変な減益になるんだろうが、オーナーが倒れたり病気になれば、違約金も取れないで店も閉じなければならないリスクを覚悟するべきだろう。血も涙もないコンビニ本部という風評リスクも、長い目で見れば利益拡大の逆風になるのではないだろうか。

深夜でも売り上げがあるのは、深夜に開けているからであって、大都会の人が集まる店舗は別として、郊外の一般的な店舗の営業時間は、(「セブン-イレブン」は無理だとしても、)せめて朝6時から夜12時までの「シックス-トゥエルブ」くらいでいかがだろうか。

ちなみに、私はほとんどコンビニ利用をしない。ときどきネット購入の商品の届け先に指定するくらいの利用頻度である。