遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

レトロなスタイリングの日野ルノー

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昨日のカルロス・ゴーンの釈放時の作業着コスプレは、愉快でした。

屋根に脚立をのっけたスズキの軽自動車による逃走劇は、報道陣をまくための作戦だったようですが、その一部始終をカメラにとらえられていました。弁護士が考案した作戦だったようですが、あれでは頭隠して尻隠さずで、ルイ・ド・フュネスの喜劇映画を思い起こしてしまいました。

それにしても、保釈金10億円はすごいというか無駄というか。姿をくらます可能性がない人物なのだから、何もそんなにセンセーショナルな金額にしなくてもいいだろうに。何か別の事案から目をそらせたいのだろうかと、勘繰りたくもなります。

さて、上の車はトヨタ自動車博物館所蔵の「日野ルノー・4CV」です。日産ルノーではありません「日野ルノー」です。

私が小学校生だったころ(1960年代)、この車に乗っている小学校の先生が2人いました。地元の名士だったと思います。

当時の私は、日野自動車が製造している「ルノー」という名前の車だと思っていました。「ルノー」というのが、フランスの自動車会社の名前だと知るのはもっと後のことでした。

小さな田舎町の教師も乗っている、比較的ポピュラーな車でした。アメ車のように奇をてらったボディではなく、ワーゲンビートルをコンパクトにしたような地味な形でした。今見るととても懐かしいレトロな車体ですが、当時の小学生には人気のないスタイルだったと思います。

戦後間もないころ、ルノーと提携していた日野自動車が、ルノーのこのタイプを最終的には日本ですべて製造していました。日野はトラックやバスだけでなく乗用車を製造していて、ルノーの後にはコンテッサという個性的でモダンな車を量産していました。

このルノーのサイズは、全長3685mm、全幅1435mm、全高1440mm、車両重量640kgで、いまの軽自動車(スズキワゴンR・3395×1475×1650、840㎏)よりコンパクトで(全長は30センチほど長い)そんなに小さかったのかと意外な感じがします。

フランスのルノーは本国でいい車づくりをしていて、いまや日本では日野ではなく日産自動車と一心同体になりました。ゴーンがいなくても良き車づくりの伝統は、脈々と受け継がれていくと思います。