遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日本ハムファイターズに逃げられた「札幌ドーム」と北広島市の新球場「エスコンフィールド北海道」

昨日の時点で、NPBセリーグ最下位が阪神タイガース(12勝24敗)、パリーグ最下位が日本ハムファイターズ(11勝24敗)でともに球団オーナー企業の本社が大阪というのが何とも元気のない今の大阪を表象しています(こじつけ)。

ところで、日本ファイターズはいま新球場を建設中で2023年に北広島市エスコンフィールド北海道を本拠地とします。

そこで本来なら話題になるのが新球場なのですが、実はファイターズに逃げられた札幌ドームの話題の方が大きくなっています。

下に、ファイターズが札幌ドームを去る決心をした経緯を簡単にまとめました。

〇札幌ドームの現状
・野球とサッカー兼用のドーム型スタジアム
・所有者は札幌市で、球場の管理は第三セクター「札幌ドーム株式会社」(札幌市と北海道にある新聞社やTV会社が出資して作った)が行っている。

日本ハムファイターズとの契約内容
・1日の使用料は831万円。ただし観客が2万人を超えた場合には、観客1人当たり415円の追加料金を支払う。もし4万人が入ると、約1650万円が追加料金となる(西武ドームは固定で1200万円)
・グッズの売り上げは30%以上の手数料を取られる(西武ドームは12%)
・飲食の収入はすべて札幌ドームの収入(球団グッズさえもドームの収入)
・ドーム内の広告もすべて札幌ドームの収入
・駐車場使用料、清掃費、警備費もファイターズが負担
年間26.5億円をファイターズは札幌ドームに支払っている(ちなみにファイターズの全選手の年棒は約22億円)
・札幌ドームの売り上げ年間約40億円のうち半分以上がファイターズからの収入

〇ファイターズの札幌市への提案
・使用料の値下げ←回答「値上げを考えている」(ファイターズが出ていくわけがないと強気
・スタジアムの管理をする指定管理者を民間企業(ファイターズ関連)にしませんか←回答「却下」(天下り先がなくなるから

〇ファイターズはドームから出ていくと決心する?…
・2016年にファイターズの新球場構想が表面化
・危機感を持った札幌市はファイターズに提案を持ちかける
  新球場候補地として「真駒内公園」を提案←周辺住民の提案で不成立
  札幌ドームを野球専用にする(サッカーグランドへの切り替え費用がなくなり使用料が抑えられる)

北広島市が新球場招致提案
・20ヘクタールの土地提供と交通手段の整備費用も市が負担
・固定資産税と都市計画税を10年免除

北広島市で新球場建設を決定(エスコンフィールド北海道、建設費用約600億円)

ということで、ファイターズはドームを去ることはないと踏んでいた札幌市の思惑は見事にはずれ、ファイターズは北広島市に拠点を移すことを決定しました。

札幌駅から約20㎞のところが新球場エスコンフィールド北海道ですから(阪神甲子園球場大阪駅から約15㎞)、札幌からのアクセスも悪くないと思います。

エスコンフィールド北海道て「どんなボールパークなんだろう?」という興味から、北海道の新たな観光地にもなりそうな気もしますし、新球場周辺にはマンションも建設されるようで、新たな住民の増加も見込まれています。

ところで、逃がした魚は大きいのが札幌市で、ファイターズと交渉した担当部署は上客を失うという大きな失敗をおかしてしまいましたが、今後とも札幌市民は日ハムファイターズを応援してあげて欲しいものです。

ファイターズは、台所事情が苦しくて、スター選手を放出し続けてなんとか黒字経営を維持していたようですが、阪神タイガースのように負けても負けても球場に観客が詰めかけてくる(選手年簿は低く抑えられ観客収入は高位安定!)ような人気球団に成長すればいいですよね。

 


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