遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

国立科博の鯨のポスターとIWCから脱退する日本

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さいころ、図鑑に載っていた「動物の大きさ比べ」で、人間やゾウや恐竜と並べ置かれたシロナガスクジラの宇宙船のような大きさにうっとり憧れていた。何度見てもうっとりとしていた。

上の画像は、国立科学博物館が作製したポスターで、もっとも大きいシロナガスをはじめ地球上の83種類のクジラやその仲間(シャチ、イルカ)が等しい縮尺で描かれている。

この素晴らしいクジラの絵を描いたのは、科博に長く務める渡辺さんという女性スタッフだという。

政府は商業捕鯨の再開に向けて、国際捕鯨委員会IWC)から脱退する方針を固めたとニュースが伝える。

もう鯨肉が日本の食文化に貢献しているなどということはないと思う。一部のクジラを食べさせる専門店があるだけのことで、日本にとってはもう要らない食材ではないだろうか。

専門店で食するなら、調査捕鯨で冷凍保存されている鯨肉だけでも十分じゃないのか?

自民党二階の選挙区太地町が伝統的な捕鯨基地を抱えていて、安倍首相の選挙区下関市も同じく基地があり、いまもクジラを食べさせる店が多いという。

となると、商業捕鯨の復活は政治家の選挙区対策という、これまた世界に向けて恥ずかしい政策なのである。

それより、日本の漁業全体を見直して乱獲を防いで、継続的に海産物が食卓に上る食生活の方を優先的にしてほしいと思う。クジラが増えすぎて生態系を乱しているという危惧は私も持っているが、それでは、そのも含めて海の生き物の生態系の実際はどうなっているのかを調査して対策すべきだろう。

漁業をする人間の方が、生態系を乱してはいないだろうか。ウナギやマグロやカニは、すでに絶滅危惧種に入っているのではないか?

ポスターの絵を描かれた国立科博の渡辺さんも、私の意見に与してくれると思う今日この頃である。