遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

箱根駅伝から世界へ

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江川紹子ツイッターで知った、彼女自身の青学の原監督へのインタビュー記事が興味深かった。

■Shoko Egawa ‏@amneris84  
例の”幻の区間賞”のことなどを聞いてみました →青山学院の原晋監督に聞いてきました(江川紹子) - Y!ニュース

青学は今年の箱根駅伝でもほぼ完勝したが、この原監督なくして箱根3連覇+年間3冠(出雲・全日本・箱根)達成はなしえなかった。ここ数年、青学は明るくて安定して強いチーム作りに成功しているが、長年の「原・青学」ウォッチャーの私はその経緯を少なからず見てきていた。

青学が箱根出場にあと一歩というときに原監督は「関東学連選抜」の監督として、急造チームながら箱根で4位の成績を残している(2008年)
その時の本番へのアプローチについては、江川のインタビュー記事の中にあるが、自主性を持たせて目標を掲げてモチベーションを上げるということが、明るいチーム作りにつながる。この理念の正しさは、他でもない今の強い青学のチームが証明していよう。

キャッチャー時代の野村克也は、マウンドに行きピッチャーに「高めに投げるな」と言っても成功しなかったという。「低めに投げろ」と言わないとダメだったという。漠然とした指示や目標では、人は動かないし成功しないのだ。

また、箱根だけが陸上競技じゃなくて、日本の陸上界が世界に出ていくにはどうするべきかも原監督はいくつかの選択肢を持っていて、たとえば箱根駅伝の全国開放などの立派なプランを持っている。なぜそれなのかという理由が、わかりやすくて納得できるもので、彼の優れた能力が垣間見える。

ただし、原は陸連では「野党」だという。これだけの実績があるのだから、そろそろ彼が与党になるべきだし、彼の教え子や支持者とともに次世代の陸連を担っていけるに違いない。競泳の北島などを育てた平井コーチが水連の理事になって、日本水泳界の力が底上げされ、リオ五輪でも活躍したのが好例だろう。

政治やビジネスやスポーツなどすべての分野について、原監督のチーム強化メソッドと本番の闘い方へのアプローチは効果を上げるだろう、少なくともヒントを得ることはできるだろう。各分野における、原監督のようなリーダーやマネージャーが求められる。

いまさらながらだが、軍国調のビンタや𠮟責やシゴキで、プレーヤーは強くならないのである。