遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

懐かしのどんど焼き

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成人の日だった昨日(9日)、あまり歩かないコースをウォーキングしていて、小さな集落で大きなたき火をしている人たちと遭遇。もちろんたき火ではなく、昔から小正月に行われる伝統行事「どんど焼き」をしていたのである。

かつては、小正月1月15日は、成人の日と重なっていて必ず祝日だった。松の内の最後の15日に、各家庭は松飾りやしめ縄や書初めなどや鏡餅を、どんど焼きの火で焼きに来たものだ。

書初めの灰が高く舞い上がると、字の腕前が上達すると言われた。また、餅は上手に焼いて食べて健康のご利益を授かり、藁灰などを持ち帰って自宅周辺に撒いて厄払いをするという風習もあった。要するに神事に似た習慣だったわけだ。

年に一度の短い行事だったが、子どもにはわくわくする楽しい行事だった。私の実家の集落は40軒ほどだったので、どんど焼きはまさにたき火程度のとても小さなスケールだったが、竹がポーンとはじける音が山里に響いたことを懐かしく思い出す。あの音から「どんど」と命名されたのかもしれないな(調べたら、そういう説もあるらしく、うれしくなった)。

40年以上前、はじめてスキーをしたのが野沢温泉だったが、ちょうど1月15日の祝日だったので、夜の大掛かりなどんど祭(道祖神祭り)に遭遇した。野沢はいまだに小正月の15日にどんど祭が行われているようだ。

昨日私が通りかかった集落は、小正月ではなく成人の日(1月の第2月曜日)の祝日にどんど焼きがシフトされたのだと想像できる。まだ松の内だけど、しめ縄などが焼かれている様子であった。年寄りや大人たちばかりで子どもたちの姿は見えなかった。