今年の箱根駅伝は、ますます精鋭たちが中央の限られた大学に集中することになって、また、ナイキの厚底シューズの効果もあり、区間新記録が続出（7区間で区間新）するスピード感あふれる大会だった。
「箱根0区を駆ける者たち」という楽しいノンフィクションを読んで知った、東海大学陸上部の素晴らしいランナーがそろった「黄金世代」。その「黄金世代」が4年生になった今年度に、東海大学が各大会でどんなレースをするのか興味があった。11月の全日本大学駅伝で東海大は見事に優勝したが、残念ながら箱根はわずか3分差で2位だった。
一方、昨年の箱根で2位に甘んじた青山学院大学は、今年は往路優勝を飾ってそのままの勢いで総合優勝のゴールテープを切った。しかも大会記録を大幅に更新する見事な走りっぷりだった。アッパレ！
原監督（青学）と両角監督（東海）という優れた指導者が健在な限り、しばらくはこの両横綱の天下が続きそうだ。
もう一つの特筆すべきアッパレ！は、東洋大学の2区を走った相沢晃（4年）選手。
2区の外国人が持つ区間記録を破って区間新記録を更新した久々に見る大器だ。3月の東京マラソンにエントリーしているようで、大迫や設楽とどんなレースをするのか今から楽しみだ。ひょっとしたら東京五輪出場の「シンデレラボーイ」誕生となるかもしれない。
相沢は春から旭化成に所属するそうで、来年は元旦のニューイヤー駅伝でまた大活躍して旭化成の5連覇達成に貢献することになるのだろう。
今年で96回大会を迎えた箱根駅伝は、1920年に始まったので、今年で創設100年にあたる。くしくも、第一回大会の優勝校は今大会26ぶりの出場となった筑波大学の前身にあたる東京高等師範学校であった。
今年がなぜ100回大会でないのか、分からないお方はいないと思うが、なにはともあれ、平和な御代の駅伝大会を楽しめてうれしく思う。
箱根駅伝1回大会 （1920年）
優勝 東京高等師範学校（現・筑波大学）
2位 明治大学
3位 早稲田大学
4位 慶應義塾大学
【2019年度3大駅伝大会結果】
〇第51回全日本大学駅伝 （2019年11月3日）名古屋市熱田神宮～伊勢市伊勢神宮前 8区間106.8km
優勝 東海大学
2位 青山学院大学
3位 駒澤大学
4位 東京国際大学
5位 東洋大学
6位 早稲田大学
7位 國學院大學
8位 帝京大学（以上シード権獲得）
9位 順天堂大学
10位 中央学院大学
11位 法政大学
12位 立命館大学
13位 城西大学
14位 日本体育大学
15位 明治大学
16位 拓殖大学
17位 関西学院大学
18位 京都産業大学
19位 皇學館大学
20位 札幌学院大学
〇第31回出雲駅伝 （2019年10月14日）出雲大社～出雲ドーム6区間45.1㎞ シード権制度なし
優勝 國學院大學
2位 駒澤大学
3位 東洋大学
4位 東海大学
5位 青山学院大学
6位 立命館大学
7位 帝京大学
8位 順天堂大学
9位 拓殖大学
10位 法政大学
11位 中央学院大学
12位 北海道学連選抜
13位 アイビーリーグ選抜
14位 関西学院大学
15位 皇學館大学
16位 北信越学連選抜
17位 愛知工業大学
18位 広島経済大学
19位 京都産業大学
20位 第一工業大学2
1位 東北学連選抜
〇第96回箱根駅伝 （2020年1月2日、1月3日）東京・読売新聞社前～箱根・芦ノ湖を往復 合計10区間（217.1Km）
優勝 青山学院大 10:45:23(大会新)
2 東海大 10:48:25
3 國學院大 10:54:20
4 帝京大 10:54:23
5 東京国際大 10:54:27
6 明治大 10:54:46
7 早稲田大 10:57:43
8 駒澤大 10:57:44
9 創価大 10:58:17
10 東洋大 10:59:11
（以上シード権獲得）
11 中央学院大 11:01:00
12 中央大 11:03:39
13 拓殖大 11:04:27
14 順天堂大 11:06:45
15 法政大 11:07:23
16 神奈川大 11:07:26
17 日本体育大 11:10:32
18 日本大 11:10:37
19 国士舘大 11:13:33
20 筑波大 11:16:13
－ 関東学生連合 11:12:33
