遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「とと姉ちゃん」と「ニュースの真相」の自由

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朝ドラ「とと姉ちゃん」。主人公たちの雑誌は財政難に苦しみ、広告を載せたばかりに怒った花山編集長が出版社を去ったのが先週のストーリー。今週にはなんだかんだあって、花山はとと姉ちゃんとぎこちなく和解し、また編集長に復帰した。広告を載せると自由な編集ができなくなるということを身をもって知ったとと姉ちゃん

広告主の社長とその息子が、実に分かりやすく莫迦丸出しの傲慢さで編集に口を出してきて、それを拒否すると広告主から手を引くと脅しをかける。今の自民党のマスメディアへの下劣な脅しにも似た圧政を象徴するような下劣な社長とその息子。しかし、とと姉ちゃんは、その下劣な脅しに屈することなく広告を断るという筋立ては痛快。

「あなたの暮らし」の発刊を続けても広告主に魂を売れば、雑誌は死んだも同然なのだと主人公は気付くことができた。今のマスメディアの広告収入欲しさのヘタレぶりとは大違いの痛快さ。また、いまのNHK の政権への忖度ぶりとは大違いの気風の良さだ。いろいろ忖度しなければならないNHKも、こういうとと姉ちゃんを描くという表現でガス抜きをしている部門もあるのかな。


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さて、次は全国ロードショーが始まったばかりの映画「ニュースの真相」について。
ジョージ・ブッシュ大統領の軍歴詐称をスクープしたテレビのニュースショーのキャスター(ロバート・レッドフォード)と敏腕女性プロデューサー(ケイト・ブランシェット)は、現役の大統領と世論を相手に、ジャーナリスト魂を貫くといった内容らしい。

これは実話に基づく映画で、米国史上最も低レベルな大統領(私論)を描いていて痛快なのか、愚直なまでに正義感を貫くジャーナリスト気質を描いていて爽快なのかよく知らないが面白そうな映画である。こういう映画も作れる米国は、史上最低レベルの首相と政権を有する現在のわが国の表現の自由度とは、比ぶべくもなく素晴らしいものである。映画の宣伝広告宣伝スチール写真のケイトは相変わらず美しいし、チャンスがあれば観に行こう。


ということで、今年も広島の原爆忌がやってきた。
「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」。合掌。