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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

高市総務相は放送局を恫喝するな

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共同通信2016/2/8
高市早苗総務相は8日の衆院予算委員会で、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法の違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及した。「行政が何度要請しても、全く改善しない放送局に何の対応もしないとは約束できない。将来にわたり可能性が全くないとは言えない」と述べた。


太平洋戦争時に大本営発表などと称し、国家が発した大嘘を国民向けに放送していたことと対極にあるのが、1950年(昭和25年)に公布された放送法だ。

放送法では「政治的に公平であること」と定められているが、それは時の権力に都合のよいことだけを放送した戦時中を反省しているのではないのか。放送局が行き過ぎた政権に「それはないよな」と発信することが政治的公平だ。政権が放送局に圧力をかけることこそ、公平性を欠いた放送法違反ではないのか。

「政府が右と言っているものを左と言えるか」とのたまうNHKの会長こそ断罪されるべきだ。公平ではないと思う。

また、「政治的に公平であることについて違反」するということは、具体的にはどういうことを指すのか、高市総務相は具体的に示せ。電波停止を命じるよ、という空気を漠然と作り出して放送局を恫喝して恐怖心をあおることこそ放送法違反だ。放送法を曲解している、歪めている。

そもそもだれが何を基準に「政治的に公平」だと判断するのか。8日の予算委員会では籾井会長は、視聴者がそれを判断すると答弁したが、この男のとんちんかんぶりには恐れ入った。視聴者が判断って、どうやって意思表示するの? 放送法をまったく理解できていない。

いずれにしろ、放送局を恫喝し懐柔して情報操作を目論む政権が存在してはならない。少なくとも現代の日本に存在してはならない政権である。誰がこの政権を潰すのだろう。

それにしても、高市総務相の笑みを浮かべた答弁(なぜこの政権は冷笑をするのだろうか)が、いかに恐ろしいことを言っているのかということを、分かりやすく国民に説明するのは予算委員会で質問をした民主党の使命だ。一部の知識層が分かるだけじゃだめで、とんちんかんな籾井会長みたいな有権者にも理解できるように分かりやすく説明するのだよ。がんばってくれたまえ、できていないよ。