遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「テレビ塔」は「平和の象徴」である一方、強力で有能な「悪魔のささやき」ツールでもあります

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ウクライナへのロシア侵略に気を取られている間にも、日本のコロナ感染者の死亡数は増えていまして、先月2月の1か月の死亡者数は月別死者数の最大値に達しました。

1月が422人だったのに2月は4856人と一月の間に死者が12倍にも増えています。これまでの最大値が、2021年5月の2817人だったことも合わせて、引き続き注意する必要があります。

これはNHKがまとめた速報値ですが、さすがにこの数値はNHKがねつ造していないと思いますが、最近のNHKは信頼性に欠けること甚だしいので眉に唾して接したほうがいいかもしれません。

例の、「河瀬直美が見つめた東京五輪」を制作したNHK大阪放送局は、金をもらって五輪反対デモに動員されたという男を登場させた件について、「字幕が不確かだった」ことにして単なる謝罪で澄まそうとしています。これは、受信料を払っている全ての視聴者に説明責任を取らない態度であって、公共放送の使命を放棄することに終始しています。

国会で、五輪反対派を貶める意図的な放送ではないかと問われた前田NHK会長は、「意図的にやるならばもっと上手にやる筈」とすっとぼけた答弁でごまかしました。

この前田晃伸会長、みずほ銀行が創業された初日からオンライントラブルで混乱した当時の社長だった人物で、当時は連日テレビに暗い表情で出続けお詫びを繰り返していたことを思い出します。みずほ銀行はいまだにそのトラブルが解決していないようで、NHKもこの河瀬五輪字幕問題を先送りにすると、またどこかで同じ芽が生えてくるような気がします。

こういったごまかし・まやかしを積み重ねるメディアが、あの軍国主義の時代に逆戻りをもくろむ軍事政権や他国に侵略する悪の枢軸国のお抱えメディアになり下がってしまいます。戦前・戦中の、NHKや朝日や読売がそのことを証明しています。

Netflixのドキュメンタリー「世界の最重要指名手配犯を追う」で最近知ったことですが、1994年のルワンダの大殺戮(100日間で80万~100万人のツチ族を虐殺)を画策し実行した実業家フェリシアン・カブガは、自分が所有するラジオ局を使って、ツチ族がわれわれフツ族を攻撃してくるなどとした嘘のプロパガンダを流し続け一般市民を洗脳しました。

ルワンダの人たちの情報源はラジオ放送で、洗脳や懐柔のツールとしては最も強力なものがどんな時にも手軽に聴くことができるラジオでした。

いまウクライナでは、ロシア軍のミサイルがキエフテレビ塔を集中的に攻撃しています。これもウガンダのラジオ放送局による洗脳情報のたれ流しの裏返し行為で、ウクライナ市民の情報戦を断ち切るためのテレビ塔への攻撃だと言えましょう。

四国の香川県でしたか、地元で歴代自民党議員を務める実業一家は、高松に本社を置く新聞社と放送局をはじめさまざまな企業一家だということです。こういうメディアをなりわいとする実業一家の出身なら、実際に行われているかどうかは別として、身内の政治家・候補者に都合の良いこと悪いこと、いろんな情報操作が可能だと言わざるを得ません。

大阪のMBSは、正月の特別番組で維新の幹部、橋下徹松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事を同じ番組に出演させました。これは公平性に問題があると一般視聴者に指摘されたことを受けて、MBS虫明洋一社長が内部調査すると記者会見で発表しました。

内部調査するまでもなく、これはダメなことは明らかで、私はまったく視聴していませんが、維新に偏った放送を続けているとされる在阪放送局は、そろそろ自己規制する時ではないでしょうか。

テレビ塔」は「平和の象徴」であることは間違いありませんが、一方で強力で有能な「悪魔のささやき」ツールでもあります。

ということで、NHKはもちろんのこと、都会の大放送局も地方の小さな放送局も、放送法の第四条に規定されている公平性を厳格に順守すべきであることは言うまでもありません。以後よろしくお願いしたいものであります。

放送法

第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。