遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

安倍晋三がNHK幹部に発した「おまえ、勘ぐれ!」から「新しい戦前」が始まりました

小西洋之参議員が予算委員会で示した、放送法の解釈について省内で協議した問題の内部文書について、総務省は公式文書と認めました。

当時の高市総務相は、自分のあずかり知らないことでねつ造された怪文書だと予算委員会で答弁しましたが、「高市がウソをついている」のか、「高市大臣に無断で省内で意思一致をしていた」のかよく分かりませんが、しっかり追及してもらいところです。

ただ、それより重大なことは、政治(自民党・官僚)が放送法や法曹免許の許認可権を楯に、放送局に政権寄りの報道を姿勢を取るべしと言わんばかりの圧力をかけることが問題なのであって、それが肝だということを広く知らしむべきです。その役割は他でもないメディア自身で、野党や知識層や市民団体も大きな問題ととらえるべきでしょう(メディア以外はきちんと認識していると思います)。

先の大戦で、戦況についてNHKや大手新聞はウソの情報を流し続けて戦意高揚を図っているうちに、沖縄に米軍が上陸し、その後大空襲や原爆による甚大な被害を招いた前科があるにもかかわらず、いまになって再犯を重ねることは許されないことだからです。

かつて、NHKで「『慰安婦』番組改変」問題が生じました。

これは、2001年にNHKEテレで放送された特番「戦争をどう裁くか」で、事前にに放送内容を知った自民党中川昭一安倍晋三NHK幹部を呼び出し、番組内容を改変させたと言われる一連の問題です。シリーズ全4作のうち、慰安婦を扱った番組」は、4分短縮(改変)され放送されました。

当時、週刊新潮はこの噂を取り上げ「もしNHKが “外圧”に屈して番組内容を差し替えたとしたら、公共放送として大変な汚点だ」と批判しました。

また、2005年になって朝日新聞が中川と安倍の名前を出して、この番組の放送をめぐってNHK上層部に二人の圧力があったとする報道を行いました。

いまは亡き中川と安倍は、当時40代後半の一議員だったわけですが、NHKの幹部に強引な態度で迫ったようで、当時の番組制作局のチーフプロデューサーは、単独会見で「政治介入を受けた」と告白しました。

安倍晋三は、番組の内容について具体的にどうこうしろと言わない代わりに、NHK幹部に「お前、勘ぐれよ(察しろよ)」と主張したと当時のNHK内部の人が今に伝えています。

「勘ぐれ!察しろ!」と言われた当事者が取る行動は何でしょう?そうですそれは「忖度」であります。

関西では「みなまで言わすなよ!」というのが「察しろ!」と同義語で、袖の下を要求する悪代官よろしく「忖度」して、言われる前に行動に移さなければならないのであります。

一連の「森、加計、桜~」騒動で「忖度」という言葉が一般化されましたが、21世紀になったばかりのころに、安倍晋三が放送局へ放った「勘ぐれ!」が忖度の呼び水になったわけです。

自民党が2014年の衆院選挙前に萩生田光一名で在京キー局に送った「選挙報道に偏りがないように」とする内容の圧力満載の申入れ文書も、もう忘れた人が大半なので、あらためてこの際大いに問題にするべき時でしょう。

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