遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

エコでクールな渋滞税と優遇車線

イメージ 1

今日現在、中国はPM2.5の量が大変なことになっていて、大気汚染に対する最高レベルの「赤色警報」が発令された。北京では、(今だけ規制で)ナンバープレートの末尾数字(奇数か偶数で1日置きに)で車の乗り入れ制限が出されたという。こういったルールが恒常的に適用されている国や地域もある(シンガポールなど)。

それと似た規制で、渋滞税(コンジェスチョン・チャージ)や優遇車線(カープール・レーン)という環境にやさしいクールなルールがある。

渋滞税:コンジェスチョン・チャージの例

2003年にロンドンは、市内の特定Cゾーン(上の画像)へ平日の日中に車で通行するドライバーに8ポンド(現在は10ポンド約1800円)の渋滞税(コンジェスチョン・チャージ)を課した。ただし、自動二輪車ハイブリッドカーや電気自動車といった環境に優しい車、緊急車両、バスやタクシー等の公共交通機関は免除される。
このチャージで渋滞は緩和され、二酸化炭素排出量も削減され、税収も増えるというトリプル効果がある。クールな税金である。これには罰金制度もあり、ルールを破ると最大35,000円(60~187ポンド)の罰金が課せられる。

優遇車線:ダイヤモンド・レーン、カープール・レーン

また、ハイウェイの車線規制で、エコカーだけ走れる車線が用意されている地域がある(カリフォルニアなど)。ダイヤモンドレーンと呼ばれるひし形のマークが書かれているレーンはエコカーしか走れない。そのレーンは渋滞がなくスイスイ走れる。
大気汚染防止に協力的なドライバーへのインセンティブが、ダイヤモンドレーン走行なのである。ただし、ハイブリッド車はいまやエコカーカテゴリーから外され、電気自動車やプラグインハイブリッド車だけがそのレーンを走行できる。ハイブリッド車は売れすぎたからかもしれないが、2011年にエコカーから外されたようである。

また同じくひし形の道路マークでカープール(car pool)と呼ばれるレーンもあり、そのレーンはドライバーが一人だけの車は走れない。複数の人間が乗っていないと走れないルールで、このルールのレーンもスイスイ走れるようである。(下の画像) 
ただし、助手席に人形を座らせているケースも多いようである。当然見つかれば違反切符を切られるが、微笑ましくもある。このルールも、ゾーンで規制適用している地域もある。

日本でも、大都市や観光地でこのルールを適用して、公共交通機関への乗車を奨励してほしいと思う。上高地のようなシステムをもっと拡大するべきだ。また、郊外にある駅の深夜のタクシー乗り場の長い行列も見ていて気の毒になる。何とか相乗りできるスマートな方法がないものかと思うのである。

渋滞と二酸化炭素の排出について、まずはできることからコツコツとやってみるべきだろう。繰り返しになるが、ドライバーから渋滞税や優遇車線通行税を徴収し、渋滞を緩和し、二酸化炭素を削減し、その税金で路面電車などの公共交通機関の整備やレンタル自転車の設置などを試みればエコでクールだと思う。