遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

弱者へのしわ寄せ予算案

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新年の中東訪問で安倍首相が行った中東支援の額は2940億円。イスラム国が怒るのはともかく(私は無理もないとは思うが)、日本国民が怒ってもいいのではないかと思う金額である。事業を継続するかどうかですったもんだした八ツ場ダムの総事業費はダムで国内最高の4600億円だが、中東で落とした額に比べると意外に少ないなと思った(それでも八ツ場ダムは要らないのだが)。

それにしても政府は、膨大な借金を抱える国の財政をどうするつもりなのか。
14日に新年度予算案が示されたが、朝日新聞の社説で『政権が予算案で示した解答をひと言でいえば、「所得の少ない人へのしわ寄せ」である』と論評された。 新予算では年金や介護にかかる予算の先送りや縮小が示された。その額は約3275億円である。中東への支援金額は2940億円。
企業へ還元されない予算は縮小、と言って差支えない。

消費税が8%になったとき、しっかり社会保障費として使うという約束はどうなったのか? そもそも、予算も決算も国民にきちんと示されていない。国会での審議時間も短すぎる。必要とあらば、国会の会期を1年中にしてもらいたい。

予算案の税収(54.5兆円)はあくまでも見込みなので、新たに発行される国債が30兆円台(36.8兆円)になったなどと胸を張れることではない。38%は借金に頼った予算であるし、歳出の「国債費」は今がゼロ金利なので将来は増えていくことが確実なのである。

いずれにせよ、まず今日からの通常国会で、野党は徹底的に政府を追及してもらいたい。公共事業や安全保障関連予算を増やして、国民の暮らしを切り捨てる予算案を徹底的に追及してほしい。将来の国の財政について、景気が上向いて税収が赤字を減らしていくという政府の見解を論破してほしい。
また、その他の安倍政権の狼藉や悪行(国民を愚弄する行い)を陽の当たる場所へ引きずり出して国民に明らかにしてほしい。さもないと、来年の参議院選挙には野党は消滅する。一党独裁国家になってしまう。