遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

終活で遺影の準備

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2年ほど病床にあって、ほぼ無意識だった叔母が亡くなった。比較的近くに住んでいた叔母は、よく私を可愛がってくれた。

祭壇の叔母の遺影は口角を上げて微笑んでいて、最も叔母らしい表情だった。導師は、戒名の意味を説明する前に「いいご遺影です」と話された。10年くらい前の、発病前の叔母の写真だったようだ。

私の母親は、末期がんでやせ細って別人のようになって亡くなったが、遺影は母が亡くなる10年ほど前のものを使った。長女の初節句のときの集合写真で、私が撮ったものだった。これも、まだ発病する前の穏やかな表情の写真だった。

「終活」(人生の終わりをより良いものとするため、事前に準備を行うこと。)のひとつに、いい遺影を準備するというのがある。

遺影の準備は当人ではなかなかできないので、私は、同居の父親の写真を撮るように娘たちに命じている。妹の娘(姪)が、可愛い娘をよくわが家に連れてくるので、わが娘によって父親はひ孫と一緒に写真を撮られているようだ。そうとは知らずに撮られている。何とか遺影にできそうなのが撮れていることを確認している。

遺産の分与準備をするほども持っていないので、父親の終活はこれにてほぼ終了、なのである。

姪にはもうすぐ二女が生まれる予定で、亡くなった叔母の穴埋めとなる。