遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

グーグル・クロームでグーグルの虜

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川崎の地検からの逃走犯は、所持していた友人の携帯電話のGPS弱電波で居所を突き止められ、御用になった。これが真夏だったらもっと長く逃げられたのだろう。アメリカでは、脱獄した囚人がここ最近の大寒波の過酷さに耐えきれずに、やっぱりムショに戻リたいと出頭してきたというニュースも流れていた。脱獄の旬というのもあるようだ。

ところで、川崎の逃走犯。持っていたのが友人の携帯電話だった。ということは、警察は携帯電話会社に捜査協力を要請していたのだ。つまり、携帯電話会社で逃走犯の周辺の人間、家族や知人友人たち複数の人間のケータイGPSの動きをリアルタイムでさぐっていたのである、おそらく。
「おや、友人FのGPS電波は、横浜の雑木林から発信されているぞ、これは怪しい、周辺警備の警官に直ちに通報せよ」てな感じで御用になったのだろう。

中国では、ネット規制がはなはだしくて、反政府的な書き込みがあれば直ちに抹消される。そのネット規制は200万人の人海戦術で人手を介して実施されているようで、そのコストたるや大変なことになっていて、一説には国防費用を上回っているという。

一方我が国は、自由に何でも書かせてくれるが、そのデータはいつでも使えるように蓄えられている。例えば私のデータは、ヤフーの登録データとブログ記事から、住んでいる地域・性別・年齢、護憲・改憲、保守・リベラル、原発反対・賛成みたいなことは容易に知れるし、楽天Amazonヤフオクで何を購入しているかもすぐにわかるし、どんなサイトにアクセスしていてどんな趣味嗜好があるかもほぼ正確に判別できる。なので、何かの傾向を探るときには数千万人単位のビッグデータは、特定の個人をただちに抽出できるようになっている。それは商業主義で利用されることが最も多いのだが、何かの取り締まり当局にとっても重要なデータになりうる。要するに、好きなように泳がせていて、いざとなったらすぐ御用にできる仕組みだけは確立していることになる。
春から始めようとしているチヌ釣り用のリールのバナー広告が、最近私を追いかけてくれているが、商業的利用とはそういうことである。また、反政府的要注意人物としてビッグ・ブラザーに監視されているかもしれないのだ。

とにかく個人情報を完璧に管理することは難しい。ならばリスク管理をしながら、この文明の利器インターネットと折り合いをつけて生きていこうと思う。リスクはあるけど便利でお得で楽しい、この短所と長所の住み分けをどこまで許容できるかということを自分で決める。クレジットカード決済やネットバンキングも、怖いと言えば怖いのだけど、現金を持っていて財布を失くしたり他人に盗られたりというリスクとどちらが大きいかといった程度の問題だと私は思う。

少し逸れるが、一日に80万人が乗降するJR大阪駅では、総務省所管の独立行政法人が、設置された90台の防犯カメラで駅ビルの訪問客の顔を撮影して「顔認証」の実験を始めたという。データは顔の映像は処理をして個人を特定できないようにしてJR西日本に寄贈されるようであるが、撮られている意識のない私たちはまったく無防備にデータを提供している。

ということで前置きが長くなったが、そういうリスクは百も承知で、インターネットブラウザをIE(インターネット・エクスプローラー)から、グーグル・クロームに徐々に移行していこうと思っている。わが部署に出入りの若きWEB関連業者がプレゼンに使用していたブラウザがグーグル・クロームだというのを発見して、今さらの感もあるが、そう決心した。

グーグルは、この自社のブラウザ「グーグル・クローム」使用のユーザーの情報を集めている。第三者から見ると、「私はグーグル・クロームを使用しています。グーグルは私の情報を収集しています。でも、私は一点の曇りもなくインターネット社会に接しています」という宣誓にもなるわけで、それはそれで凛々しい。

それから、女房や娘が私のPCを使ったとしても、彼女たちはIEしか知らないので、それも好都合。IEは、YahooのIDをヤフオク用にフィックスしていて、クロームのYahooのIDはブログ用に固定して使っている。ブラウザを複数使うとこういうことも単純に便利だと思う次第である。


本当に快適なブラウザは…? 

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