遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

髪をほどいた横たわる裸婦/モディリアーニ

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中之島コレクションズ(大阪国立国際美術館 ~12月11日)からご紹介。

「髪をほどいた横たわる裸婦」(1917年) アメデオ・モディリアーニ

タイトルは作品をそのまま表しており、何の説明も要らない。

佐伯祐三の「郵便配達夫」と並ぶ、近代美術館建設準備室の至宝である。

大阪の実業家の山本發次郎コレクションが寄贈されたことに端を発するのが、

大阪市立近代美術館コレクションなのだという。


このモディリアーニの作品は、福島繁太郎というお方がパリで購入し、

1934年(昭和9年)に東京日劇の展覧会で、デビューを果たした。

その後、大阪の山本家のコレクションに加わったという。


モディリアーニは、木彫りの仮面などに代表されるアフリカ美術に大きな影響を受けた。

彼の作品の特徴である首の長いシャープなフォルムの人物画は、そのあかしと言えよう。


この「髪をほどいた横たわる裸婦」は、モディリアーニの代表作にあげられる作品で、

1917年当時、生活のために画商にすすめられて描いた一連の作品のひとつ。

この作品は、それらの裸婦像の中でもひときわ力強く、ここでもアフリカの大地の力を感じる。


遥か昔の昭和9年の展覧会で、この圧倒的な作品に見つめられた日本人は、

何をどう感じたのだろうか。