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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

熊取六人衆/京大原子炉実験所”異端”の研究者たち

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「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜」

大阪府熊取町にある京都大学原子炉実験所。ここに脱原発の立場から活動を続けている”異端”の研究者たちがいる。原子力はわが国の総発電電力量の3割を供給するまでになったが、反面、中越沖地震柏崎刈羽原発が「想定」を上回る激しい揺れで被災するなど、技術的な課題を完全には克服出来ていない。番組では、国策である原子力推進に異を唱え、原子力の抱えるリスクについて長年、警告を発し続けてきた彼らの姿を追う。その言葉はエネルギーの大量消費を享受する私たち国民一人ひとりへの問いかけでもある。

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この映像は、大阪の毎日放送が2008年に放送したものである。

 

京都大学原子力の研究をしているにもかかわらず、原子力が必要とされない社会を目指している、
 
小出さんと今中さんという2人の助教を追ったドキュメンタリーである。
 
彼らは、異端だったので教授にはなれなかった優秀な科学者だと思うが、原子力研究に携わったからこそ、「原子力は要らない」という考え方に至ったと思われる。
 
彼らの先輩たちにも同じ考え方の研究者がいて、「熊取六人衆」と呼ばれている。
 
住民の猛反発で建設中止となった、和歌山県日高町の美しい海の民宿で、彼らの懇親会のもようが紹介されていた。
 
その民宿の主人も、原発反対で戦ったひとりだったという。
 
原発を誘致しなかったことで、大きなお金は落ちてこなかった日高町の人たちは、今何を思っているのか、想像に難くないことである。
 
映像は、チェルノブイリへ取材したり、青森県六ヶ所村で、核燃料処理場の廃止を訴えている女性を取り上げたりしている。
 
また、柏崎原発の再開をどうするかの地元説明会に出席した、「保安院」の情けない説明会なども含まれていて、
 
東日本大震災の起きた後でこれらを見ると、腹立たしくさえ感じる。
 
原子力関連国家予算5000億円という利権に群がることもなく、いつか核武装するための能力を維持するために国家に協力するでもなく、科学が人類に果たすべき役割を純粋に追い求めているすばらしい科学者たちが熊取にいる。
 
彼らが「異端」だと呼ばれることが悲しいことである。

 

私は今日そのことをはじめて知り、この映像を目にした。
毎日放送は、この番組を放送して某電力会社の逆鱗に触れた。

 

某電力会社は、毎日放送での自社のCMを一時取り止めたという。
「一時」ではなく永久に取りやめてくれていれば、

 

もっと早く「熊取六人衆」のことを知ることが出来たのに、さすがに天下の電力会社、そのあたりの立ち回りも実に巧みでいらっしゃるのである。