夜警 (隊長フランス・バニング・コックと副官ウィレム・ファン・ライテンブルフの市民隊)
ベラスケスの「ラス・メニーナス」はこのブログで先月ご紹介しました→http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/67970695.html
レンブラントと言えば、まずイメージされるのが「夜警」で、1642年、彼の36歳の時の作品です。当時は写真がない時代でしたので、富裕層は肖像画を画家に依頼して遺すことをしました。この作品は、アムステルダムを自衛する自警団からの依頼で筆を執りました。
中央の白い衣装の男性が私にはいつもとても印象的なのですが、彼はこの隊の副官で、隊長は左側にいる黒い服装の男性だそうです。いずれにしろ、中央の二人にスポットライトが当たり、光と影のメリハリと奥行きのある作品だと思います。また、自警に出かかる瞬間をとらえていて、各人の動きと全体的な構図でドラマチックな仕上がりとなっています。
それまでの肖像画の基本は、動きのない直立した人物像、つまり整列した集合写真のようなものだったのですが、本作のような動きのあるものは画期的だったようです。また、一人の人物を描いた家の壁にかけられるようなサイズのものがもっとも一般的だったのですが、本作は、たて3.6mよこ4.3mの大きなものであることも特徴的であります。
なんでも、中央の二人に比してその他の人たちの描き方がいい加減だということで、この作品以降、レンブラントの評判はあまり芳しいものではなくなったようです。
ともあれ本作「夜警」は、世界でもっとも有名な芸術作品のひとつとして後世に伝わりました。
チャンスがあれば、本作に会いに行きたいと思っています。