遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

接吻/グスタフ・クリムト

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  接吻   グスタフ・クリムト    



いまさら説明の必要のない作品であろうか、

巷に溢れている絵画である。


ウィーンの中心部からさほど離れていない小高い丘に、


今は、オーストリア美術館となっている。


コレクションも、建物も、人工池も広大な庭園も、そこから見えるウィーンの街も含めて、

世にも麗しい美術館である。


マリア・テレジアハプスブルク家のコレクションを展示するのに、

宮殿を丸ごと買い上げたのだそうだ。


コレクションは、本家のクリムトエゴン・シーレをはじめ、ゴッホルノアールも用意されている。


さきほど、クリムトの「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像I」が本来の持ち主に返還され、

競売にかけられたとか。


返還のクリムト肖像画に史上最高値=156億円で美術館に売却-米紙

 【ロサンゼルス19日時事】オーストリアの画家グスタフ・クリムト(1862-1918年)の代表作の一つ、
「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像I」が、所有者からニューヨークの美術館に売却されたことが19日
明らかになった。
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、売値は1億3500万ドル(約156億円)と史上最高値を
記録した。
 売却主は、ロサンゼルス在住のマリア・アルトマンさん(90)。
 同作品はウィーンの美術館に長年展示されてきたが、アルトマンさんは、ナチス・ドイツがオースト
リア併合時に親族宅から略奪したものだと主張。オーストリア政府との法廷闘争を経て、今年1月、
同作品を含む5作品がアルトマンさんに返された。

 
ま、すごい売却額だが、「アデーレ・ブロッホバウアー」とは、

ニューヨークの美術館に行けば会えるようである。


本家のオーストリア美術館には、まだこの「接吻」が残っている。


幸せそうな男女の周辺に、

日本画に影響を受けたと思しき、金箔を張りめぐらした平板な幾何学文様。


100年経ってもこの輝きは、愛のようには失せないのである。


新婚旅行には言うまでもなく、金婚記念にも、

婚前旅行、傷心旅行にもウィーンをお奨めする。