このモネの作品「印象、日の出」は、1874年に反サロン主義者が開催した結果的に第1回目となる印象派展に出展され、印象派の名を生む元となった。(マルモッタン美術館所蔵。)
モネといえば「睡蓮」がすぐに連想されようが、私はこの作品である。
モネ展 1982年12月8日-1983年1月30日 京都国立近代美術館
この展覧会で、「印象、日の出」を観た。私はこの絵の前で暫く立ち止まっていた。順路を遡って再度この絵の前に戻ったりもしていた。
帰りに図録を購入したが、この作品の絵葉書も買おうとして、あまりの色の違いに、断念したことも記憶にある。
「ルーアン大聖堂」「積み藁」「睡蓮」「ポプラ並木」「日傘の婦人」「舟遊び」。これらは連作であり、このときの展覧会は、それらのオンパレードであった。忘れられない展覧会であった。
その3年後の1985年に「印象、日の出」は盗難に遭い、以後発見されるまで4年間どこかを彷徨っていた。私が初めてパリを訪れたときは、そのさなかであった。
私が京都で観て以降、公式にわが国にこの作品は来ていない筈。しかし、彷徨っていた4年は、時あたかも我が国のバブルの時期。 買主を求めて、日本にこっそり入国していたりして…。