遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ハッピーアイスクリーム/加藤千恵

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 ハッピーアイスクリーム  加藤 千恵  (中公文庫)



枡野浩一のネットでの短歌教室に、現れ出でた北海道の女子高生が、



バイトをしたり、夢中になった人を慕い、受験勉強に追いたてられた女子高生は、

歌も詠んでいて、このような立派な作品集を世に出した。

ハッピーアイスクリーム」は、加藤千恵のデビュー作である。


谷川俊太郎が解説文らしきものを巻末に寄せている。

 千恵さんの短歌を読んでいて、ジョニー・デップ主演の映画『ギルバート・グレイプ』を

思い出した。あるシーンでギルバートが言うんだ、「ぼくはいい人間になりたい」って。



加藤の作品に流れるものは、日常の心のゆらぎのようなもので、

ため息と一緒に浮遊する言葉なのに、あたしはいい人間になると言っている。


たしかに、「ギルバート・グレイプ」も、
その辺にいそうでいないいい青年だった。


    世界中の本や音楽買い占めてなんとか夜を乗り切らなくちゃ


    合格を祈願している場合じゃない だってあたしは恋をしたのだ


    いくつもの言葉を知ったはずなのに大事なときに黙ってしまう