遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ゴールドベルク変奏曲/バッハ

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バッハ作曲のゴールドベルク変奏曲

本来はチェンバロのために書かれた曲。

弾き手はピアニストのグレン・グールド


グレン・グールド(Glenn Herbert Gould, 1932年9月25日 - 1982年10月4日)は、カナダのトロント
生まれたピアニストである。

1945年にオルガン奏者としてデビューし、1946年に行われたトロント交響楽団との共演でピアニストの
人生をスタートさせた。

1956年に初のアルバムであるバッハの「ゴールドベルク変奏曲」を発売し、世界的なピアニストの地位を
確立した。

従来の聴衆との関係性や演奏の一回性への疑問を主張し、1964年3月28日のシカゴ・リサイタルを最後に
コンサート活動からは一切手を引いた。それから没年までレコード録音及びラジオ、テレビなどの放送
媒体のみを音楽活動の場とした。

1981年に再録されたバッハの「ゴルトベルク変奏曲」は彼の最晩年の傑作と評されている。
1982年10月4日、脳卒中により死去。享年50。




グールドは、ゴールドベルク変奏曲を2度録音して世に出している。

1955年6月と1981年4月・5月の2度の録音である。

私の所有CDは、後者の彼の晩年の、といっても49歳のときの演奏記録である。


グールドの、モーツァルトピアノソナタ保有しているが、

テクニックのことはよく判らないが(素晴らしいのだと思う)、

そのテンポに驚く。


モーツァルトサリエリを翻弄したごとく、グールドはモーツァルトの作品を弄ぶ。

冒涜しているのかもしれない。



一方、グールドの演奏するバッハのこの曲は、

実に敬虔な演奏態度であり、グールドのバッハ好きがよく理解できる。


派手さはないが、静謐な調べは、場所や時を選ばない全天候型の名品である。


全32曲、数十秒から6分まで、曲の長さはまちまち、

みな同じように聞こえる方もおられようが、

単調で退屈だと思われる方もおられようが、

「ながら聴き」でもよろしいかと思う。


エンドレスでこの曲を流しておいても、どこからもクレームは出まい。


この作品集のどこをどう切り取っても、みずみずしく新鮮に感じられる。

これで眠りに落ち、これで目覚めても罰当たりではない。


バッハとグールド、

時空を超えたヴィルトゥオーソの競演を楽しまれたい。



ゴールドベルク変奏曲

ヨハン・ゼバスティアン・バッハによるアリアと様々の変奏曲からなる2段の手鍵盤のチェンバロのための
練習曲 (BWV 988)。全4巻からなる「クラヴィーア練習曲集」の第4巻で、1742年に出版された。

「アリアと種々の変奏」と題されているが、バッハが音楽を手ほどきしたゴルトベルクが不眠症に悩む
カイザーリンク伯爵のためにこの曲を演奏したという逸話から「ゴルトベルク変奏曲」の俗称で知られている。

もともとチェンバロの曲であったためピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少な
かった。20世紀後半になって若手の気鋭ピアニストであったグレン・グールドがデビューアルバムにこの曲
を選択、レコード会社の反対を振り切ってピアノ演奏の録音盤を1955年に発売し、世界的なセンセーション
とともに一躍著名な曲となった。