遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

バッハ:無伴奏チェロ組曲/フルニエ

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バッハ 無伴奏チェロのための6つの組曲 ピエール・フルニエ


そもそもチェリストをどれくらい知っているかと言えば、ほとんど知らない。

カザルス、ヨーヨー・マロストロポーヴィチ藤原真理堤剛くらいである。

春以降ずっと、私のクラシックBOXライブラリーに入っていた、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴いていた。
演奏は、ピエール・フルニエというフランスの演奏家だった。

バッハのこの無伴奏チェロは、第1番の冒頭が泣く子も黙るほど有名なフレーズで、私はその部分しか知らなかった。
このアルバムは、2枚組の6曲全編が整然と並べられていて、フルニエの演奏は楽譜に忠実であろうと感じさせられる静謐さがあふれんばかりで、バッハの息遣いを丹念にいまに伝えてくれる。

この演奏を聴き込んでから、カザルスの演奏を聴くと、個性が強すぎてちょっと違うな~と思ってしまう。
もう、私はフルニエの演奏が刷り込まれてしまったようである。

「名曲名盤300 ベストディスクはこれだ!(音楽之友社)」でこの曲の名盤を見てみると、僅差で①パブロ・カザルス (1936~39年録音) ②アンナー・ビルスマ (1992年録音)、そして③フルニエのこのアルバム(1960年録音)という順序になっていて少し驚いた。
この3人演奏家の、録音年代が全く違うこの3つのアルバムが、バッハの無伴奏の定番なのだそうである。

時間とお金に余裕のある方は、3つのアルバムを聴き比べてもいいかもしれない。
私はフルニエでお腹いっぱいである、知っているチェリストが、1名増えた。

ディスク:1
1. 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
2. 同第2番ニ短調BWV1008
3. 同第3番ハ長調BWV1009
ディスク:2
1. 同第4番変ホ長調BWV1010
2. 同第5番ハ短調BWV1011
3. 同第6番ニ長調BWV1012