遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」/ポリーニ

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ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章  マウリツィオ・ポリーニ

1. ストラヴィンスキー:《ペトルーシュカ》からの3楽章
2. プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83
3. ヴェーベルン:ピアノのための変奏曲 作品27
4. ブーレーズ:第2ソナタ
 マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
 録音:1971年9月(1,2)、1976年7月(3,4) ミュンヘン
 

70歳になったポリーニは、今月初めにサントリー・ホールで演奏会を開いたようで、
いまだに健在のようであります。


ひとりの審査員の反対もなくショパンコンクールの1位に輝いた18歳のポリーニ
その後10年間の沈黙を破って1971年に録音したのがこのアルバムだそうです。
ほぼデビューアルバムがこのストラヴィンスキープロコフィエフです。

私のグラモフォンの黄色いボックスの43番目に、このすごいアルバムが隠れていました。

恥ずかしながら、ポリーニをちゃんと聴くのはこれが初めてでして、
このアルバムの冒頭わずか3秒間で、迫り来る音に圧倒されてしまいました。

ストラヴィンスキーの前衛的だけど華やかな作品を、
まるで管弦楽のような多彩な音色で、1971年の28歳の青年が奇跡の演奏を残しています。
すでに50回以上はこのアルバムを聴きつづけていますが、その超絶技法には平伏すしかありません。

プロコフィエフヴェーベルンブーレーズの3人の混沌とした現代音楽の極致のような難曲も、
ポリーニの引き立て役に過ぎないような気がしてきます。

「名曲名盤300 ベストディスクはこれだ!」に、ポリーニのアルバムは何枚登場したでしょうか、
おそらく彼が残した録音の大半が、ベストディスクに推挙されているような気がします。
これからゆっくりポリーニを探索していくつもりであります。