遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

本能寺/功名が辻(大河ドラマ)

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NHK大河ドラマ功名が辻」は、明日が「本能寺」。


1965年(昭和40年)、大河ドラマの「太閤記」で織田信長役に抜擢された高橋幸治は、

一躍人気者になり、「高橋-信長を殺さないで」という視聴者の声に、

本能寺の変の放送は延期になったという。


まだ小学生だった私は、この「太閤記」を欠かさず見た思い出がある。

ちなみに、秀吉を緒形拳、ねねを藤村志保、光秀を佐藤慶黒田官兵衛を田村高広、

石田三成(佐吉)を石坂浩二が、それぞれ演じていたのをいまだによく憶えている。

佐吉役のお兄さん石坂浩二が、男前で賢そうで、彼がまだ劇団四季にいた頃だったのだろうか。


このたびネットで検索してみたら、脇を固める出演人がすごい人たちだった。

岸恵子三田佳子片岡孝夫島田正吾、でもまったく憶えていない。

ことに、高橋-信長の影に隠れてしまったのか、

あの森蘭丸片岡孝夫仁左衛門)が演じていたのかと、驚いてしまった。



大河ドラマの「太閤記」(1965年)キャスト
豊臣秀吉:   緒形 拳
織田信長:   高橋幸治
明智光秀:   佐藤 慶
徳川家康:   尾上菊蔵
ねね:     藤村志保
淀君:     三田佳子
お市の方:   岸 恵子
濃姫:     稲野和子
なか:     浪花千栄子
黒田官兵衛:  田村高広
竹中半兵衛:  福田善之
石田三成:   石坂浩二
蜂須賀小六:  山茶花 究
前田利家:   川津祐介
柴田勝家:   中村歌門
森蘭丸:    片岡孝夫
曽呂利新左衛門有島一郎
千利休:    島田正吾



今回の舘-信長の延命コールはなかったようで、予定通り明日の放送で、

前半のクライマックス「本能寺」とあいなる。


明智光秀は本能寺変の数日前に、愛宕山に登っている。

愛宕山は、NHK発祥の地、東急インのある東京の愛宕山ではなく、

京都の、標高924mもある山である。


愛宕山には、奈良時代から庶民に「火伏せの神」として信仰が厚い愛宕神社が山頂近くにあり、

関西の家庭の台所には「火廼要慎 阿多古神社(火の用心 愛宕神社)」

というお札が貼ってあることが珍しくない。


我が家の台所にも、それはあり、数年前に私が片道2時間をかけて登って貰ってきたお札である。


光秀は2時間の道のりの参道を登りながら、もうすでに心に決めていたであろう数日後のクーデターを、

どのようにイメージしていたのだろうかと思う。


彼の50年余りの生涯は、流浪の生涯であった。

本気で天下を獲ろうとしていたのか、単に信長を討ちたかっただけなのか、

それとも、数奇な生涯に終止符を打とうとしていたのか。


光秀の本姓は「土岐(とき)」である。

「ときは今 あめ(天)が下しる 五月かな」

光秀は、天下を取る決意を愛宕山で詠んでいる。

天正10(1582)年のことであった。