巨人二人の競演、ドヴォルザークのチェロ協奏曲。
グラモフォンの創立111周年記念ボックスに入っていなければ、
自宅で聴くことのなかった作品かもしれない。
チェロ演奏が、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927-2007)、
ソリスト・指揮者・オーケストラの三大巨人の競演と言い換えてもいい。
当然のことだが、ロストロポーヴィチのチェロは何の引っ掛かりも違和感もなく、
心底うっとりとする。
威厳ある風格漂うジャケット写真からも明らかなように、
ロストロポーヴィチは堂々たる演奏である。
チェロ奏者を包むように珠玉の演奏を繰り広げてもくれる。
これは最高水準の1枚だと断言できよう。
素晴らしい楽曲で、これまた何度聴いてもうっとりする。
名演奏家と名曲・名作曲家に遭遇することの幸せ、
この1枚で体現できる。