さあ、明日はクラシック中のクラシック、日本ダービーである。
子どもの頃から、競馬中継をよく観ていた。
私の子どもの頃は、今のように毎週競馬放送があったわけではなく、
今でいうG1もしくはグレードと名のつくレースがTV中継された程度のことであった。
だから、競馬中継が私にはインパクトがあったのである。
なので、コダマ(1960年)シンザン(1964年)のレースは、
この目で見ている。
今は18頭が、一生に一度だけ、ダービーに出られる。
かつては、28頭フルゲートのレースだった。
28頭のサラブレッドが、正面スタンド前でゲートを飛び出し、
第1コーナーに殺到していくシーンは、実に精悍なものであり、
あのシーンがダービーのいや、日本競馬の醍醐味だと、今もそう思っている。
この、「日本ダービー十番勝負」は、執筆人も10人。
時代の作家たちが、JRA発行の月刊誌「優駿」に寄越した観戦記である。
競馬関係者が、一度は勝ちたいと思うレースが、日本ダービーである。
勝った彼の馬と一緒に走った。(コースの端っこだったけど…。)
その気持ちは、見ているほうもよくよく理解できるのである。
私は馬券を買ったのは、社会人になってからである。
この10番勝負はほとんど見ているが、馬券は買っていない。
このレース以降、競馬は市民の関心ごとになったと、私は思っている。
馬の名前以外はほとんど記憶から去っているレースが、蘇ってくる1冊である。