遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「優駿」観戦記で甦る-日本ダービー十番勝負

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優駿」観戦記で甦る 日本ダービー十番勝負 (小学館文庫)




今年の春競馬、桜花賞○、皐月賞●、天皇賞○、オークス○の好成績。

さあ、明日はクラシック中のクラシック、日本ダービーである。

子どもの頃から、競馬中継をよく観ていた。

私の子どもの頃は、今のように毎週競馬放送があったわけではなく、

今でいうG1もしくはグレードと名のつくレースがTV中継された程度のことであった。

だから、競馬中継が私にはインパクトがあったのである。


なので、コダマ(1960年)シンザン(1964年)のレースは、

この目で見ている。


今は18頭が、一生に一度だけ、ダービーに出られる。

かつては、28頭フルゲートのレースだった。

28頭のサラブレッドが、正面スタンド前でゲートを飛び出し、

第1コーナーに殺到していくシーンは、実に精悍なものであり、

あのシーンがダービーのいや、日本競馬の醍醐味だと、今もそう思っている。


この、「日本ダービー十番勝負」は、執筆人も10人。

時代の作家たちが、JRA発行の月刊誌「優駿」に寄越した観戦記である。


競馬関係者が、一度は勝ちたいと思うレースが、日本ダービーである。


タニノハローモアの厩務員は、東京競馬場の最後の直線を、

勝った彼の馬と一緒に走った。(コースの端っこだったけど…。)

その気持ちは、見ているほうもよくよく理解できるのである。



私は馬券を買ったのは、社会人になってからである。

この10番勝負はほとんど見ているが、馬券は買っていない。


怪物と呼ばれたハイセイコーは、武豊の父親、武邦彦の乗るタケホープに敗れた。

このレース以降、競馬は市民の関心ごとになったと、私は思っている。


馬の名前以外はほとんど記憶から去っているレースが、蘇ってくる1冊である。



シンザン―すべてはシンザンから始まった

ダイシンボルガード・渦巻く昂奮 梶山 季之著

タニノムーティエ・生れてはじめてのダービー観戦記 佐藤 愛子著

ヒカルイマイ・孤独なシステム産業の一日 草柳 大蔵著

タケホープ・人生は夢ではない 寺山 修司著

コーネルランサー・橙々色の帽子を追って 古井 由吉著

クライムカイザー・ダービー初観戦記 影山 圭三著

カツラノハイセイコ・馬券を買う 吉村 昭著

シンボリルドルフ・不順の歳の偉いやつ 古井 由吉著

ナリタブライアン・特別な馬 高橋 三千綱著

その時 木村 幸治著