遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ピンクの福永祐一とピンクの栃ノ心

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競馬のジョッキーがレースでつける帽子の色は、レースの枠順によって決められている。

今日の日本ダービーワグネリアンに騎乗し、19度目のダービー騎乗でようやく優勝した福永祐一の帽子はピンク色だった。

18頭出馬でワグネリアンは17番枠。一番外枠の3頭の鞍上の騎手は、ピンク色の帽子をかぶるのだ。

日本ダービーで、17番枠はとても不利で、スタート直後に大周りになってしまう。しかし、福永は不利をものともせず2400mの長丁場をうまく乗って念願のダービージョッキーになった。

ゴール後は涙の感動的なウィニングランだった。泣く子も黙る天才ジョッキーであった父親の福永洋一は、ダービーを勝つ前に、世紀の落馬事故で騎手を引退せざるを得なかった。

洋一の息子の祐一が、その悲願をついに達成した。

すべての競馬騎手の夢は、ダービーを勝つこと。福永祐一は41歳でその夢をついに叶えた、おめでとう、よくやった。


大相撲の栃ノ心(30歳、初土俵2006年、ジョージア出身)のトレードマークは、右ひざに巻かれた大きな大きなサポーター。普通の女子ならあのサポーターはタイトスカートにもなろうというくらいの大きさだ。

右ひざのけがで、小結まで行った力士が幕下まで番付を下げた。そこから再び復活して、先々場所に初優勝し大関昇進がかかった今場所は、25連敗中の白鵬に初めて勝利するなど、安定した強さを見せた。

幕下まで落ちた時、私はもう彼は終わったと思っていた。ものすごいパワーを感じるのに、出世しそうで負け越して、精神的な弱さを感じていたので、もう駄目だと思っていた。

それでも幕内にまで這い上がってきて、まだ足の調子が戻っていなかったのか、2016年も2017年もぱっとしないまま推移していたのに、2018年に入って二桁勝利が3場所続き、ついに大関の位を手に入れることになった。

今場所の何日目か、例によって林家ペーとパー子がピンクの服を着て桟敷に座っていた。しかし、取り組みのために花道を歩いて来る栃ノ心の全身ピンクの身体に比べたら、ペー夫妻のピンク色はショボいの一言に尽きる。

全身に血液が回ったピンクの栃ノ心は、いまやだれも止められないほど強い。ヨーロッパ出身の初の横綱も夢ではない。おめでとう、よくやった。