「江戸川乱歩が選んだベスト10」というのがある。
7と10は未読であるが、私にとっては胸がきゅんとなる懐かしい作品ばかりである。
そもそも、乱歩の影響が強いのか、1947年という昔に彼が選んだものが、
ミステリ本おもしろランキングの常連になっているものだから、
私も若い頃、たて続けに読んだ憶えがあるのである。
いわゆる「犯人捜し」の本格ミステリーばかりである。
イギリスには女王が二人居て、ミステリ界の女王がアガサ・クリスティである。
もうひとりは、もちろん、女王陛下である。
書店のミステリコーナーには、何はなくとも、クリスティ作品だけは絶対に在る。
しかも束で置いてある。
置いておくべき他の作家の作品がなくても、クリスティだけは並べてある。
ジャズでいえば、ビル・エヴァンス的存在か。
「ABC殺人事件」「スタイルズ荘の怪事件」「カーテン」「白昼の悪魔」などを読んでいる。
「そして誰もいなくなった」以外は、探偵ポワロが事件を解決する作品である。
このポワロも、ホームズやマーローともども、探偵御三家の一人である。
で、ポワロものの極め付きが、乱歩が6位に選んだ「アクロイド殺し」である。
ミステリの女王が名探偵を繰り出して創り出した極みの作品である。
これを読もうとされる方、
誰にも内緒で、
まったくの前提知識なしで、
こっそり読まれたい。
レビューは一言だけ。
この作品だけは絶対に忘れないであろう、驚愕のミステリである。