遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

Mrs. GREEN APPLE 騒動 コロンブスは偉人ではありません!

Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)がMV削除」とSNSで話題になっていて、当初何のことかさっぱりわからなかったのですが、その「コロンブス」という歌のためのMVをちらっと見て、これは削除必至だなあと思いました。

コロンブスが新大陸だかを発見したというシチュエーションで、おちゃらけた雰囲気で猿人のような現地人と絡むシーンが多く取り入れられています。

MVが表現している、コロンブスの時代のヨーロッパの文明が、未開発の地域のネイティブを下に見るという構図は、現代では間違った感覚です。

何らかの要素が複合的にあって、ヨーロッパの文明が早く発達していただけなのに未開の地や人を蔑むということは差別です。

作った側に差別の意図や感覚はなかったようですが、差別や侮蔑と受け取られても仕方のないものを世に出すということは迂闊だと厳しく批判されて当然です。

「削除」が私の念頭にあったからか、一目見てこれはアカンと思ったのですが、初見でこれをチェックする立場にあれば、私はNGと言うと思います。作り手はいったいどういうチェックをしているの?と妻と呆れていました。

このグループのことを今回初めて知りましたが、27歳2人と31歳の年齢構成の3人グループで、人気バンドのようで取り巻きスタッフはワンサカいるはずですから、こういう問題のある表現行為は自分たちの周りから一掃しなくてはいけないと思います。

今回の騒動で夏のツアーが中止になるということはないでしょうが、「その節は、すみませんでした」って言いまわるのもカッコ悪いし、高い授業料を払うことになるかもしれませんね。

 

米大リーグのクリーブランド・インディアンスは、2020年シーズン終了後からチーム名を「ガーディアンズ」に変更すると発表しました。「インディアンズ」の名称を巡っては、先住民などから反発の声が上がっていたようで、1915年から100年以上使っていても現代では問題ある名称になってしまっていたのです。
また、フットボールワシントン・レッドスキンズも同年、アメリカンネイティブを表象するチーム名を廃止し「コマンダー」に改称しています。

 

ことほどさように、たとえわずかでも差別的なエッセンスがあれば、まっとうな組織はそれを摘み取ることに舵を切れますので、見習いたいものです。

そもそも、コロンブスは偉人ではないですし、そのあたりも少し配慮が足らなかったようでした。

ついでに言うと、グループ名の「Mrs ミセス」という敬称も今は少し違和感があります。

男はミスターだけなのに女は既婚かそうでないかでミセスとミスを使い分けるのも変な区別だわということから「Ms. ミズ」が女性の一般的な敬称になってきました。

ただ、男か女かの区別もいる?という世の中になってきました。

それでいえば、日本語の「さん」は完璧な敬称で、米国の実況アナは、大谷翔平を「オオタニサン!」とよく絶叫しています。世界中で「さん」が使われるようになったら、おしゃれですねえ。

ちなみに、私は記事の中ではどうしても「さん」付けで呼びたくない輩がいますので、公平を期すためにほぼすべての人に敬称は付けていません。

ということで、Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)さまにおかれましては、今後の益々のご発展をお祈りするきょうこの頃であります。おきばりやす。

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