遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

個人情報保護委員会が、デジタル庁に立ち入り検査に入るようです

朝日新聞によりますと、
マイナンバー(個人番号)に別人の情報が登録された一連の問題で、個人情報保護委員会(個情委)が、デジタル庁に立ち入り検査をする方針であることがわかった。早ければ月内にも実施する。個情委は重要な個人情報であるマイナンバーの利用に際し、「リスク管理と対策ができていなかった」とデジタル庁の責任を重くみておりマイナンバー法にもとづく行政指導も視野に検討を進めている。》
とのことです。

政府は、マイナンバーによる個人情報の整備を安全かつ慎重に進めていって、世界に後れを取るデジタル化社会の構築をめざせばよかったものを、携行カードにして拙速にさまざまな情報をリンクしようとしたことが、わが国の歴史的な大失敗を起こしてしまいそうになっています。

そんななか、河野太郎デジタル相は6日、全国知事会長の平井伸治鳥取県知事と会談し、今年秋としていたマイナンバー総点検の完了時期が11月ごろになる可能性を伝えた。知事会側は9月末ごろを想定していたが「例えば11月とかに遅らせることは十分ある」と述べた。》と共同が伝えました。

これは、河野太郎のこれまでの失敗についての恥の上塗り発言で、知事会が想定していた9月はもとより11月までに点検できるような出来事だと思っているところが、相当な頓珍漢だということです。

河野太郎とデジタル庁は、「カードを持ち歩く」ことによる情報漏洩リスクがどんなものであるかが想像できていないし、そもそもそ、カード(のチップ)に持たせた情報が信頼できないところが、完全アウトなのです。

私の知り合いは、マイナポータルのアプリで自身の情報を確認し大丈夫だったと言っていましたので、大多数の国民がそうなんでしょう。でもその知り合いはまだマイナカードを使っていないので、なにがしかのカードリーダーに自分のカードを読ませた場合に安全かどうかは確認できていないということでした。

これまた全国民が抱えているリスクで、その安全性をまだ確認できていないのにもかかわらず、河野太郎が11月に総点検を終えると言ってることが意味不明で、何を総点検するのか言ってる河野本人もただただ希望的な観測を言っているに過ぎないと思われます。

また、一昨日の国会閉会中審査では、長妻昭の質問に、「2026年に新マイナカード(+保険証)が導入予定だが、医療機関が設置を進めている現行のカードリーダーは新マイナカードでも使えるのか?」という質問に、河野太郎は「使えないことも想定している」といけしゃあしゃあと答えていましたが、頓馬がこの国を潰すことを絵に描いたような国会答弁でした。

全国医師会をはじめ、自民党を支える医療関連団体はこの答弁を指をくわえてみているだけなんでしょうか。
「いや、いまマイナ保険証のトラブル対応と、コロナ第九波到来で、それどころじゃないんですよ」と言ったとか言わなかったとか。

ということで、個情委が立ち入り検査に入ったことで、11月までに終わりそうだという総点検はさらに遅れることになるでしょうし、マイナ保険証は一旦期限なしの延期となり、従来からの保険証が今後何事もなくそのまま使われることになるかもしれません。