遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

マイナ保険証の廃止は次の選挙の大きな争点にもなってきて痛快千万

共同通信世論調査によりますと、来秋移行に予定されているマイナ・保険証(保険証廃止)に反対や懸念を示す傾向が大勢を占めていることがわかりました。

具体的には
●高年層の78%が反対。40~50代は73.2%。30代以下は60.5%が反対
●立憲支持層の86.4%、共産支持層の86.8%が廃止に反対
●自公支持層とも「延期すべき」が最も高い
としています。

保険証の廃止は高年層の反対が多いようですが、私はむしろ若年層こそマイナ保険証に反対すべきだと思います。

5年に1回のマイナ保険証の更新なので、我々高齢者はあと何回もマイナ保険証を更新する必要がありませんし、病歴や服用している薬が万一他人に知られたとしても影響は限定的です。

しかし、若い人たちは生涯で10回以上も更新する必要があり、役所の窓口に顔写真を持参して交信する手間(コスト)は馬鹿になりません。今なら紙の保険証が毎年郵送で送られてきますから手間なしです。

また、一旦病歴などの情報が洩れたらそれを完全に回収できる保証はありませんし、入学、結婚、就職、昇進、転職、転居、その他やさまざまな権利行使に影響を及ぼす非常にセンシティブな情報が危ういことになっています。

なので、若い人たちはこんな世界に類のない個人の根幹にかかわる情報が、どのようなシステムに流れ込んでいくのか想像ができない状況に選挙やSNSなどで断固反対の意志を示すべきだと思います。

マイナカードは良しとして、もらったマイナポイントは返さなくてもいいとして、最終的にマイナンバーが資産状況や病歴と紐づけられることについてもう少し神経質になりましょう。

例えば、少し不安を抱えていて不眠が続いて心療内科を受診したとして、その情報が漏れたとしたら、その情報は形を変えてひとりで歩き出すかもしれません。デジタル化がオールマイティなわけではなく、個々の被保険者にとっては非常に危ういツールになることも想定できます。

そして、マイナ保険証にもっとも反対すべきは、現場で治療にあたる医師だとも思います。個人の尊厳を踏みにじることになりかねないシステムであり、そもそも治療受けたいと願い人たちの意思を削ぐシステムで、国民皆保険をなくそうとしているとしか考えられない愚行です。

岸田内閣の責任は重大で、マイナカードを早く行きわたらせようと、強引にマイナポイントやマイナ保険証制度を持ち出してきた世紀の頓珍漢・河野太郎を首にすればそれで済むものでもなく、自民党が解散などできるはずもないことが露呈された今の状況です。

ということで、岸田内閣支持率はまた下り坂を転げ落ちているようですが、マイナ保険証の廃止は次の選挙の大きな争点にもなってきて痛快千万な国会会期末も近い、きょうこの頃であります。