第81期名人戦第3局は大阪府高槻市で行われ、渡辺名人が勝利し藤井六冠との対戦成績を1勝2敗としました。
渡辺名人は第3局を負けるとカド番に追い込まれる重要な1局でしたが、やや押され気味だった終盤に巻き返して勝利をものにしました。
最終盤で、渡辺名人が93分を費やして駒台の角を「3三」に打ちこんだところで大勢が決しましたが、それ以外の指手だとまた振出しに戻るところでした。さすがにそこは名人、時間がたっぷり残っていたこともあり勝ちを手繰り寄せました。
高槻市は、目下新しい将棋会館の建設が進んでいて、こけら落としが済んだばかり1500人収容の多目的市民ホールで開催された第3局の大盤解説会は、2日間とも活況だったようでした。
ところで、第3局の前日インタビューで、藤井六冠がマンガ「将棋の渡辺くん」を読んでいることが判明しSNSでも話題になっています。私もそのインタビュー映像を見ましたが、藤井六冠はけらけら笑いながらそのことを短く告白していました。
私もYoutubeで「将棋の渡辺くん」関連のものを何度か見たことがあるのですが、渡辺名人の妻伊奈めぐみさんが描いている楽しい漫画で、渡辺夫婦の将棋にまつわる会話が面白く描かれています。
とりわけ、藤井くんに関する渡辺くんの本音コメントを引き出す妻めぐみさんのテクニックが素晴らしいと思います。また、身内の名人とはいえ旦那を主人公にしていることも、そのことを認める旦那も素晴らしくて、2人のコラボレーションが良い作品にしていると思います。
今、わが町の図書館では「将棋の渡辺くん」の単行本は、残念ながら全冊借り出されていますが、私も借りて読んでみるつもりです。
渡辺名人のインタビューは、彼が名人になって以降、囲碁の井山裕太名人との2年連続対談や、タイトル戦前後の単独のインタビューなどをYoutubeで多く見ていますが、話し方の歯切れの良さがウソではないことを語っていることの証左で、多趣味で話題が豊富で とても爽やかに感じます。
今週末には名人戦の第4局が福岡県飯塚市で行われますが、次は先手番の藤井君に頑張ってもらいたいと思っています。
