遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「批判されることを覚悟せずに政治家になるなよ」という和解

私がTwitterでフォローしている青山学院大中野昌宏教授が自民党の世耕議員に名誉棄損で訴えられていた裁判が、昨日17日和解が成立しました。

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中野はTwitterで世耕に「原理研究会(旧統一教会)出身だそうですね」とつぶやいたことに対する世耕の訴えだったそうですが、和解条項で東京地裁(古田孝夫裁判長)は「公人の政治的姿勢、言動等に関しては、国民の自由な論評、批判が十分に保障されなければならない」と指摘しました。

この裁判所の「公人が一般人のそれくらいの批判でいちいち名誉棄損の訴訟なんかするなよ。これはスラップ訴訟じゃないか!わかってんのか?」(意訳)といったような当然の指摘を受けて、雲行きが怪しくなったと世耕側が思ったのかどうか知りませんが、和解に持ち込んだのでしょうか。

あるいは、裁判中に統一教会勝共連合との関係性との関係性が明らかになることを恐れたのかもしれません。

世耕は訴えで「統一教会は反社会的な団体であるとの印象を抱くものが少なくない」ので自分が「原理研出身」だというのは名誉棄損にあたるとしていました。

この和解は、中野側の限りなく勝訴に近い和解だと私は受け止めています。

「公人の政治的姿勢、言動等に関しては、国民の自由な論評、批判が十分に保障されなければならない」という裁判所の言葉を重く受け止めたいし、世耕が言う「統一教会は反社とみなすのが一般的だ」という認識も拡散される効果があるので、そう思いました。

また世耕が法廷で宣誓の上、
原理研や旧統一教会と一切関係がないこと
自民党議員として、今後被害者の救済や党と旧統一教会との絶縁を含め必要な調査・対応を行う
と供述したことが和解条項前提となっていて、一般人の私たちも、今後の世耕や自民党の動きを監視していきたいと思います。

統一地方選自民党の立候補者に統一協会の影がちらつくようであれば、「国民の自由な論評、批判が十分に保障されている」はずの民主国家の有権者納税者として、これまでと変わらず公人を論評・批判していくつもりです。

かつて、遊説中に「帰れ!」と言われて萎えていた腰抜けの宰相がいました。彼は首相どころか公人の資格さえない食えない人間でしたが、無恥無知無能な政治家たちを今後もどんどん真正面から批判していきたいと思いを新たにした今日この頃です。